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七十三

 さて、こちらは破近。実は先程より迷っている。


「男が死んだのを、姐さんの耳に入れるべきやろか?」


 そして

「やっぱ変に心配かけてもアカンから、やめとこ」


 後になって思えば、この時の選択が大きかったのだが。



「ここかいな?」

〝熊〟に到着した破近、早速周りの様子を覗うも


「ま、居酒屋が朝からやってるはずもないわ」


 だが自薦した以上、手ぶらでは帰れない。

 その時、ふと見上げたその青き目に


「ん? 二階が住まいなんやろか?」


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