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五十八
「どう見ても、生真面目そうでしたが」
「そやな、猿公。で、次は、今日喜助と蕾が会ってくれた但馬屋のお光や」
ここで破近、蕾の顔を見て
「おまえの目には、どう映ったん?」
「気立てのよさそうな人でしょうか、ご主人様」
「そうなんや」
そう言った破近が、ふと
「そういや蕾、以前は漁師してたんやて? 何で、それがくの一なんかに?」
「はい、ご主人様! 蕾って、すぐ船酔いしちゃうんで」
聞かなきゃよかった――彼の胸の内である。
「どう見ても、生真面目そうでしたが」
「そやな、猿公。で、次は、今日喜助と蕾が会ってくれた但馬屋のお光や」
ここで破近、蕾の顔を見て
「おまえの目には、どう映ったん?」
「気立てのよさそうな人でしょうか、ご主人様」
「そうなんや」
そう言った破近が、ふと
「そういや蕾、以前は漁師してたんやて? 何で、それがくの一なんかに?」
「はい、ご主人様! 蕾って、すぐ船酔いしちゃうんで」
聞かなきゃよかった――彼の胸の内である。
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