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「で、ご主人。どないしはるん?」


「はい。ちょうど今、番頭の伍平を薩摩屋に向かわせているところで」


「そか」

 頷いた破近、今度は親分を見て

「朝ちゃん、どうしょっか?」


「旦那。あっしの手下に、忍び出身の猿公なる者がおりまして。そいつを鬼が原に先回りさせとこうと」


 これに主人が

「それはおやめ下さい! 文には、女房一人で来いと。小春の身にもしものことがあったら……」


「ご主人さんよ。忍びを舐めちゃあ、いけませんぞ」


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