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四十

 さすがに、これには驚く喜助。


「でもこれって〝一番スルメ〟で、私みたいな庶民には滅多に拝めない代物なんですう」


 その意味が、すでにお光にはわかっていた。が、なおも喜助が


「一番スルメ? じゃあ、俺らが食っているのは?」


「〝二番スルメ〟で、あれが本当のスルメ烏賊ですう」


「ふうん。で」


 ここでお光が


「もういいんですよ。にしても、お詳しい娘さんだこと」


 これに笑顔で


「だって蕾。くの一の前は、漁師やってましたから!」


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