二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

三

「す、すんません。でも、事件が事件だけに」

「ん？」

「大隈屋の一人娘が、神隠しにあいまして」

　早速、喜助を従い大隈屋へと現れた同心破近

「お、朝ちゃん。ご苦労はん！」

「旦那、お早いお着きで」

　いつも先に待っている、朝太郎親分である。

「で、神隠しやて？」

「へい、ここの一人娘が……」

　その時、女将が近づいてき

「同心の旦那！　う、うちの小春を！」

「まあまあ。気持ちはわかるんやけど、一通り話してくれんとわからへんわ」