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三十四
「あれから、何か思い出しました?」
「そうそう、一つだけね」
「お! 何をでっか?」
これに姐さん、自分の右手を前に差し出し
「その男のここいらに、たこがあったんですよ」
それを見た破近
「親指と人差し指、その両方の腹に?」
「ええ、そうですよ。おそらくは、算盤だこじゃないかと」
伊達に世間の波に揉まれてきた姐さんではない。
「そろばんねえ。たこを作るほど、しょっちゅう扱うって」
頭を捻る破近、すぐに
「両替屋かいな?」
「あれから、何か思い出しました?」
「そうそう、一つだけね」
「お! 何をでっか?」
これに姐さん、自分の右手を前に差し出し
「その男のここいらに、たこがあったんですよ」
それを見た破近
「親指と人差し指、その両方の腹に?」
「ええ、そうですよ。おそらくは、算盤だこじゃないかと」
伊達に世間の波に揉まれてきた姐さんではない。
「そろばんねえ。たこを作るほど、しょっちゅう扱うって」
頭を捻る破近、すぐに
「両替屋かいな?」
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