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三十

「さあ、できたで!」


 晩飯を運んできた破近に


「これって、全部ご主人様がお作りに?」


「そうや、蕾。ま、たいしたもんはできんけど」


 同心たる者、こうやって岡っ引きや、その手下どもの面倒を見ているのだ。


「ほな食いながらでええんで、報告会でも始めよか?」



 全ての報告を聞き終えた破近


「まず引っかかるのが、熊と猫やな」


 これに、担当の猿公が


「確かにおかしな話です。この二人か、あるいは姐さんか、このどちらかが偽り事を」


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