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二十七

「いかにもそうなんやけど、ちょいとばかし聞きたい事があるんや」


 この破近の言葉に


「は、はい」


「実はわいらな、土佐屋殺しの下手人を捜してんねん」


 相手の顔色が変わった。


「そ、そうなんですか」


「でな、まずは愛人が怪しいと。それも、おそらく複数のな」


「まさか、この私を? あ!」


 動転しているお香さん、自ら暴露してしまった。


 これに微笑む破近


「心配いらんて。この下手人はあんたより賢い、いや、ずる賢いヤツやねんから」


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