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十六

 一方、忍の者ペアは居酒屋〝熊〟にやってきたところである。


 早速中に入った二人に、中年のおばさんが


「悪いね、お客さん! うちは夕刻からなんだよ」


「いやいや、お熊さん。あっしらは客ではなく……」


「誰が熊だって? あたしゃ、奈々って言うんだよ」


 ここで蕾が

「七というよりか、八みたいに下半身デブ……うっぷ」


 慌てて、その口を押さえる猿公だ。


「何か言ったかい?」


「いや、別に。それはそうと、冷奴さんって知ってるよね?」


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