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八
「ですよね? それで相手の言うまま、違う店で再び飲んだんですよ……そう、今朝がたまで」
「店の名は?」
「確か〝猫〟とかいう洒落たお店で」
「その野郎の名は? 住まいは?」
「いえ、互いの事は一切口にしなかったもんで。とかく、個人情報にはうるさいご時勢なもんで」
「ほな似顔絵描くさかい、特徴なんぞ聞かせてくれまっか?」
彼が黒のクレヨン一本で描き上げた絵を、穴が開くまで眺めている姐さんが
「そっくりですよ、旦那!」
「ですよね? それで相手の言うまま、違う店で再び飲んだんですよ……そう、今朝がたまで」
「店の名は?」
「確か〝猫〟とかいう洒落たお店で」
「その野郎の名は? 住まいは?」
「いえ、互いの事は一切口にしなかったもんで。とかく、個人情報にはうるさいご時勢なもんで」
「ほな似顔絵描くさかい、特徴なんぞ聞かせてくれまっか?」
彼が黒のクレヨン一本で描き上げた絵を、穴が開くまで眺めている姐さんが
「そっくりですよ、旦那!」
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