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 ムカつきながらも、奉行所にやってきた破近。すでに喜助から、姐さんを捕らえた同心の名を聞かされていた。


「あの、おかま野郎め」


 この時、偶然にも背後から


「あーら、鈴木殿。ご機嫌麗しゅう!」


 振り向かずとも、その甲高い声でわかった破近


「おっと! 早速でたな、妖怪め」


「何とでもおっしゃい。どうせまた、偽善者ぶるおつもりでしょ?」


 ここで、ようやく振り向く破近


「フン。この間は、関係のないキリシタンを追ってたくせに」


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