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六十二
そう言いながら、相手が懐から取り出したのは――丸い小さな、橙色した石。
それを見た破近
「こんな石ころのために、何人もの生身の人間の命がなあ」
これに女将が
「それも宿命さ……そして、これも」
そう呟いたかと思うと、何やら口の中に入れ――いや、その寸前で
「そうはさせねえよ!」
素早く動いた猿公が、その手から白い物を奪い去ったのである。
「あ!」
口を開けたままの女将に
「罪はな、ちゃんと償ってもらわんとアカンのや」
そう言いながら、相手が懐から取り出したのは――丸い小さな、橙色した石。
それを見た破近
「こんな石ころのために、何人もの生身の人間の命がなあ」
これに女将が
「それも宿命さ……そして、これも」
そう呟いたかと思うと、何やら口の中に入れ――いや、その寸前で
「そうはさせねえよ!」
素早く動いた猿公が、その手から白い物を奪い去ったのである。
「あ!」
口を開けたままの女将に
「罪はな、ちゃんと償ってもらわんとアカンのや」
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