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六十一
この時、ずっと黙っていた喜助が厳しい顔つきで
「なあ、女将。あっしら、お陀仏になるところだったんだよ!」
「ん? ああ、閉め出しされた事かい? 仕方なかったのさ。だって昨夜は、この旦那が夜通し見張ってたからね。あいつらに手を出そうにも、出せなかったんだよ」
ここで破近が、猿公に何やら二言だけささやいた後
「ほな、女将。忘れんうちに、出してもらおうやないか? 例のみかんの何ちゃらを」
「ああ、いいよ。ほれ、ここに」
この時、ずっと黙っていた喜助が厳しい顔つきで
「なあ、女将。あっしら、お陀仏になるところだったんだよ!」
「ん? ああ、閉め出しされた事かい? 仕方なかったのさ。だって昨夜は、この旦那が夜通し見張ってたからね。あいつらに手を出そうにも、出せなかったんだよ」
ここで破近が、猿公に何やら二言だけささやいた後
「ほな、女将。忘れんうちに、出してもらおうやないか? 例のみかんの何ちゃらを」
「ああ、いいよ。ほれ、ここに」
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