二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

四十七

　これに喜助も、傍に下ろされている変わり果てたお峰の姿に目やり

「この娘も、とはねえ」

と、ここである事に気づき

「じゃあ、そのお亀の女将も？」

「間違いないやろな……でもな、女将のお亀やで」

「失礼！」

　そう叫んで、女将の着物を下げた破近。これに、すかさず喜助が

「星三つ！　お偉いさんか？」

「西洋では、旨さを表すけどな」

　そう言った破近、二人を前にして

「だいぶわかってきたんやけど、肝心な下手人の正体がさっぱりやわ」