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四十一

「腹が減っては、何とかや」

 そう言って米をかっ食らい、今はお茶なんぞをすすっている気楽な同心。


「お富のやつ、大坂に戻ったやろか?」


 だがこの時、相手の様子に気づき


「おい! 何をさっきから、チラチラこっちを見てるんや?」


「あ、いえ。ひょっとしたら」

 喜助が真剣な眼差しで


「あっしのこと、お疑いじゃなかろうかと」


「はあ? わいがおまえを疑う?」

 一瞬驚く破近だったが、すぐさま


「おまえには、こんな芸当など無理やて!」


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