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三十九

「お、お、女将さん! そ、それに又吉まで!」


 すでに片膝をついて、調べを始めている破近


「二人とも息があらへんわ。それと今回は凶器が見当たらんけど、おそらくは同じ小刀やな」


 この時、我に返った喜助が


「あ、あっしは、お峰の部屋まで!」

 そう残して、走り去ろうとすると


「待てい!」


「な、何故に? お峰もやられてるかも……」


「なあ、喜助。そこ見てみ!」


「そこって?」

 

 訝りながら、破近が顎で示す方に目をやる喜助だったが。


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