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三十四

 翌朝のこと


「あれ? 旦那、こんなところで?」


「ん?」

 破近、目をこすりながら


「あ、喜助。おはようさん」


「こんな階段なんかに座って何を?」


「ああ、ここから夜通し見張ってたんやわ」

 そう言いながら、大きな伸びをする破近に


「さ、さすがです!」


「でな、賊の動いている気配はなかったわ。ま、念のために、二人の様子を確認してきてみ?」



 やがて


「旦那、二人ともぴんぴんしてました」


「そか。ほんなら、朝の散歩にでも行こか?」


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