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二十八

 梅の間で、顎に手をやっている破近

「また、同じ小刀やん」


 畳の上に流れているドス黒い血。そして、その源を辿ると――はたして、先程まで最も生気がみなぎっていた男である。


「これまた、胸を一突きかいな」


「何故に、この方が……」

 目の前の光景によるものか、はたまた持病によるものか、女将の表情は青ざめたままだ。


 ここで破近が町人と娘の二人に向って


「ま、こうなった以上、こちらの言う事をちゃんと聞いてもらいまひょか?」


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