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 次に破近、周囲を見回し


「案外、ちゃんとした造りやね」

 丸太で、天井から壁からびっしりと覆われている。


「自害やろか?」

 自問自答した破近が、何やら懐から取り出し――そう、オランダ人の父の形見である虫眼鏡だ。


「どれどれ。あ、おおきに!」


 阿吽の呼吸で、その場を照らしてくれる親分。


「ん?」

 早速、何かの跡を見つけた同心。さらに、それを綴って行くうちに


「あいた! な、何や、もう壁かいな!」


 足跡が、そこで消えていた。


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