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二十七
一人部屋に残った破近
「お富さん、メッチャ怒ってるやろな」
身近に潜む下手人なぞ足元にも及ばぬほど怖いのだ。
その時、廊下をバタバタと走る音とともに
「てーへんだ!」
そして、すぐに
「どわっ!」
勢いあまった喜助、その手が襖をつら抜いてしまった。
「何してんねん!」
その手に向って一喝した破近――だが、その目は畳に落ちた木屑に向けられている。
そこに、右手を襖に差し込んだままの喜助が
「商人おやじが、こ、殺されて!」
一人部屋に残った破近
「お富さん、メッチャ怒ってるやろな」
身近に潜む下手人なぞ足元にも及ばぬほど怖いのだ。
その時、廊下をバタバタと走る音とともに
「てーへんだ!」
そして、すぐに
「どわっ!」
勢いあまった喜助、その手が襖をつら抜いてしまった。
「何してんねん!」
その手に向って一喝した破近――だが、その目は畳に落ちた木屑に向けられている。
そこに、右手を襖に差し込んだままの喜助が
「商人おやじが、こ、殺されて!」
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