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十九

「うーん」


 黙ったまま三人の顔を、順に眺める破近。

 この時、女将が


「旦那、ちょいとこちらまで」


 案内されるままに、後をついていく破近。やがて、その青き目に飛び込んできたのは


「ここ、壊されてるやん?」


 確かに勝手口の戸が叩き破られ、そこから雨が降り込んできている。


「さっき気づきまして板で処置したんですが、ほとんど意味をなさずに」


「よっしゃ、ほな……」


 彼が腰にぶら下げた袋から取り出した物は――ねじ回しである。


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