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七 (内容変更 8/2 10:45)
途中で何度も吹き飛ばされそうになった二人、ようやく
「死ぬか思うたわ!」
「はあ? 人を盾にしてたくせに」
「ま、いいやん……お!」
調子のよい破近、正面の家を指し
「あそこで雨宿りしょ!」
その時だった。
二人の背後から、唸りを立てる雨風よりをも上回るもの凄き音が――
「お、お、おい喜助。後を見ろや」
「だ、だ、旦那のほうが……」
「ほ、ほな一緒に……せーの!」
たった今渡ったばかりの吊り橋が――どこにも見当たらない。