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第八話 何で誰もおらんくなったん? 一
「最後のお願いに参りました!」
橋のたもとにて、朝っぱらから声を張り上げるお馬鹿に
「選挙か!」
さすが百戦錬磨の冷奴姐さん、お約束通りのツッコミだ。
「なあ、とうとう明日来るんやわ」
「ああ、奥方さんネ。そら、嬉しゅうございましょう」
これに破近
「はあ? やわ。ホンマ、季節はずれの節分でっせ……ん?」
「どうされました?」
ニヤリと笑う、気色の悪い獣顔
「節分? お、接吻なら絶対に姐さんやわ!」
「ぱこん、したろか?」
*アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」への、ほんの1%のオマージュ