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三十五
「で、息子夫婦は、どこにおりまんねん?」
「今頃二人して、私の知り合いがいる甲斐の国へと向っているはずです」
これに破近、横を向き
「悪いけんど、猿公。ひとっ走り、奉行所まで頼むわ!」
「へい、合点だ」
その後姿に目をやった彼。なおも先を続け
「なあ、ご主人はん。キリシタンやと、周りに吹聴したのは?」
「私が奉公人どもを使って、噂を流させました。瓦版も、です」
「にしても、上手いこと十字架を利用しはりましたな?」
「で、息子夫婦は、どこにおりまんねん?」
「今頃二人して、私の知り合いがいる甲斐の国へと向っているはずです」
これに破近、横を向き
「悪いけんど、猿公。ひとっ走り、奉行所まで頼むわ!」
「へい、合点だ」
その後姿に目をやった彼。なおも先を続け
「なあ、ご主人はん。キリシタンやと、周りに吹聴したのは?」
「私が奉公人どもを使って、噂を流させました。瓦版も、です」
「にしても、上手いこと十字架を利用しはりましたな?」
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