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三十

 やがて顔を覗かせた棺桶。

 その蓋をはずした主人が中に向って


「まさか、再びお天道様を拝めるとは思わなかっただろ?」


 さすがに、これにはムカついた破近

「拝めるもんなら、拝んでみい!」

 そら、言いすぎ。


 ここで主人が、男たちに向って

「では、悪いがまた埋めて……」


「あかん! 死体をここに出すんや! ご主人さんよ。ええ加減にせんと、ホンマにしょっ引くで!」


 ようやく敷かれたござの上にその全貌を見せた、首のない死体である。


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