二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

二十三

　翌日、一人で奉行所を訪れた親分。そして今、西海道から来ている役人と面会している。

「そらもう西海道史上最悪、いや、お江戸にも例のないくらいの札つきですたい！」

「そこまでの悪ですかい」

「ええ。何しろ、その手をかけた数も五十人は下らんとですばい。それも、学者やら先生やら医者やら、とにかく文化人ばかりですと」

　もろに博多弁だが、何とか理解している親分。

「引け目か負い目かは知りやせんが、何かあるんでしょうな」