二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

二十二

「え？　あっしですかい？」

　少々驚いた風の親分だが、すぐに

「あまりにも突拍子のない話なんで、てんで見当すらつきませんね」

　これに破近も

「確かにそやな。仏さんが何しにやってきたんか？　それすら、わからへんし」

「それに殺人鬼として名が知れ渡っている分、おそらく相当の恨みも買っているはずでしょうし」

「そやな。何や、早くも八方塞の感がするわ」

「へい。それにしても、嫌な言葉で」

　親分、そう吐き捨てるように言ってきた。