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十三

 だが、そんな事には一切耳を貸さない蕾


「えーん! だ、だったら、この蕾も上方に連れてってくださいぃ!」


「そ、そんな無茶言いないな!」


 そこに、見かねた親分もなだめに入り


「蕾よ。あまり無理言って、旦那を困らせるんじゃない」


「う、う、う……」

 蕾、泣き止んだ――と、思いきや


「うえーん!」


 何と、そのまま外へと飛び出していった。


 これに破近、半分ではあるが、いかにも西洋人の如く肩をすくめている。


「ありゃりゃ、やわ」


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