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十二

「おっと! こりゃまた、いきなりやな。何で、そう思ったん?」


「あ、さっき姐さんがチラッと、立つ鳥って言ってたんで」


 ここで喜助に代わり親分が


「後を濁さず……となると、それしかないかなってね」


 これに破近、隠す事もなく


「朝ちゃん、大当たりやわ」


 だがこの時、蕾の目にみるみる涙があふれ


「いやですぅ! ご主人様! 蕾、絶対いやですぅ!」


 さすがの破近も、これには慌てて


「そ、そんなん言うたって、こればっかりは無理やし」


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