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十六
「さすがによくご存知で」
しきりに感心する親分。
「ほら、漢文の空いてるとこにな、小さく素早く記す必要があるやろ?」
「なるほど、なるほど。となりますと?」
「仏さん自身が漢字を使うことなく、本能のおもむくままに、いつもの片仮名で書いてしまった……」
早く先を知りたい親分、それを遮って
「その文字が、〝艹〟? うーん」
「虫眼鏡、貸そか?」
「あ、いえ」
そして、ようやく
「まさか、〝サ〟? 〝サ〟と書いたんですかい?」
「さすがによくご存知で」
しきりに感心する親分。
「ほら、漢文の空いてるとこにな、小さく素早く記す必要があるやろ?」
「なるほど、なるほど。となりますと?」
「仏さん自身が漢字を使うことなく、本能のおもむくままに、いつもの片仮名で書いてしまった……」
早く先を知りたい親分、それを遮って
「その文字が、〝艹〟? うーん」
「虫眼鏡、貸そか?」
「あ、いえ」
そして、ようやく
「まさか、〝サ〟? 〝サ〟と書いたんですかい?」
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