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瞳に映ったそれは

作者: 菜の花


 大きく開かれたあなたの瞳に

 ぼんやりと浮かんだそれは

 わたしのかたちをつくった


 その姿はまるで

 本当のわたしのよう

 されどわたしじゃない

 わたしの偽物だ


 ぐらり揺れる澄んだ水面(みなも)

 ゆらゆらと浮かんだそれは

 わたしのかたちをしていた


 その姿はまるで

 本当のわたしのよう

 されどわたしじゃない

 わたしの偽物だ


 真っ黒なあなたの瞳

 透明の澄んだ水面

 少し濁った水溜まり

 太陽の光も反射する鏡

 それらに映るわたしの姿


 すべてわたしだけれど

 わたしじゃない

 わたしはここにいる

 ここにいるんだ

ご覧いただきありがとうございました。


わたしはここにいるんだ。


誰かに届きますように。

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