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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
勇者の始まり
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ビアンコ16歳 二度目の冒険者パーティー pt.1

 16歳の時、僕は一年でランクが2段上がり、Cランク冒険者になった。冒険者パーティー『ソードアイ』もDランクの冒険者パーティーからCランクの冒険者パーティーに上がった。


 僕はソードアイの主戦力になってから、難易度の高い依頼でも受けられるようになったから、おかげで僕は早いペースでランク上げできた。そして僕はソードアイを脱退して、別の冒険者パーティーに入った。脱退した理由は簡単だった。ソードアイが僕のレベルに合わなくなったからだった。僕は戦えば戦うほどどんどん強くなっていき、ソードアイのレベルは僕のレベルについてこられなくなった。


 僕が参加したパーティーは男3人組のBランクの冒険者パーティー『アイアンナイト(鉄の騎士)』だった。元々4人のパーティーだったけど、一人がこの前の依頼でオークキングに殺された。その依頼はオーク十匹の討伐だったけど、依頼遂行のときに運悪くオークキングにも遭遇してしまい、依頼が達成できなかった上に、メンバー一人も失った。


「おまえは噂のアタッカーだな。よく話を聞いていたぞ。よろしくな」リーダーのミハイルさんは僕に挨拶してくれた。


「俺、治癒魔法師のケリーだ。ビアンコ、よろしくね~」


「俺、魔法使い担当のブライアンだ!よろしくな!」


 そして治癒魔法師のケリーさんと魔法使いのブライアンさんも挨拶してくれた。ソードアイの初対面のときと、アイアンナイトの初対面のときは結構違っていた。


 まあ、ソードアイのときは僕は実績がなかったから、馬鹿にされて当然だったのかもしれない。今の僕はソードアイでの活躍がかなり知られていたから、知らないうちに僕がちょっと有名人になっていた、とソードアイの赤髪男が教えてくれた話だった。


「頑張ります。皆さん、よろしくお願いします」僕は相変わらず外面だけの笑顔で答えた。



 アイアンナイトはさすがBランクの冒険者パーティーだった。メンバーそれぞれは強いし、自分のやるべきことを理解していて、言われなくてもお互いサポートができていた。そして冷静でちゃんと敵を見る、そんな冒険者パーティーだった。ソードアイなんかは全然比べ物にならなかった。オークキングに遭遇してしまったのは本当に不幸だったんだな。


 ある日、僕たちは護衛の依頼で東方の地にあるセラオリアという街に来た。僕は東方の地の生まれで、ソードアイと一年も東方の地と北方の地に行き来していたけど、この街に来たことがなかった。他のアイアンナイトのメンバーはダンジョンのために何回か来たことがあったみたい。


 この街はダンジョンが二箇所もあったことから、冒険者がたくさん来る街だった。そのおかげでこの街はすごく盛んで、冒険者が肩が触れ合うほどたくさんいて、すごく賑やかな街だった。防具の店、武器の店、魔導書の取り扱いの多い本屋、薬草の店、食堂など、ほとんど冒険者向けの店が街の大通りにたくさん並んでいた。



 ダンジョンも僕にとって初めてだった。どんな場所なのか結構楽しみにしていた。


「おまえはダンジョンには行ったことないだろう。せっかくこの街に来たんだから、俺たちも入ろうじゃないか。ビアンコ、ダンジョンっておもしろいぞ!」リーダーのミハイルさんは上機嫌だった。


「本当ですか。それは楽しみですね~」



 確かに面白かった。僕たちが行った一か所目のダンジョンは七階層のダンジョンで危険度も低かった。ダンジョンで殺された魔物はしばらくしたら、また蘇ってくるから面白かった。どういう仕組みなんだろう。


「どう?ダンジョンって面白いだろう?」


「はい、すごく面白かったです。でもミハイルさん、どうして魔物が死んだのに戻ってくるんですか?」


「ダンジョン特有の魔素とダンジョンの魔物特有の魔素が組み合わさったことで何度でも魔物が蘇ってくるんだ。ダンジョンの中の魔物は、万が一外に出て倒されたら戻ってこない。外にはダンジョンのような魔素がないからな」


「じゃ人間がダンジョンの中で死んだらどうなるんですか?人間も戻ってくるんですか?」


「いや、人間は魔物じゃないから、魔物のような魔素がないんだ。死んだら二度と戻ってこない。だから、死なないように気を付けてダンジョンを楽しむんだよ」


「へぇーそうなんですね〜。ダンジョンって便利ですね。倒したらドロップ品もあるし宝物ももらえるし訓練もできますから。最高な場所じゃないですか?」


「その通りだ。そういう場所だから、ダンジョンでしか活躍しない冒険者も結構いるんだよ。下階層に行かず、上階層の魔物を倒して倒して倒しまくって、ドロップ品を拾って宝物が見つかって拾って買い取ってもらえば結構楽に儲けられるからな」


「ミハイルさんたちはああいうことをしないんですか?」


「ああいうのは楽でいいけど、つまらないんだよね。俺はいろんなところに行ってみたいし、いろんなものを自分の眼で見てみたいし、いろんなことを経験したいし、いろんな人に出会ってみたいからさ」ミハイルは楽しそうに話した。


 ミハイルさんはまだ27歳だったけど、人望が強くて、頼りになる人で、知識も経験も豊富な人だった。アイアンナイトのメンバーだけではなく、冒険者ギルドのギルドマスターさえミハイルさんを信頼していて、何度かミハイルさんに難しい依頼を頼むこともよくあった。



 僕はこんな人間じゃなかったら、ミハイルさんみたいなかっこよくて強い大人になりたいと思った。


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