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僕の中の悪魔を殺してください  作者: あまね
勇者の始まり
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現在 魔物退治 pt.3 ~~僕の中の悪魔を喜ばせる~~

 ゴブリンの亡骸の処分、ゴブリンの巣の破壊とゴブリンの魔石を拾う作業が終わった後、僕たちは3本の分かれ道に戻り、生き物の気配のある右側の通路に入った。特に魔物がなく少し真っ直ぐ歩いて行って、この右の通路はかなり浅いからすぐ通路の行き止まりに達した。


 そして僕たちは驚愕した。そこには女の人が何人もいた。おそらくゴブリンに拉致されたあの村の女の人たちだろう。女の人たちはほぼ全裸で空虚な目で無気力で、地面に座り込んだ人もいれば、横たわった人もいる。生きているのか、死んでいるのかわからないぐらい残酷な状態だった。僕は剣を鞘に収めて、女たちに近づき、首の脈を取って確認してみると、少し脈がある。でももう無理だね、これ。この人たちはもう生命力がない。死んだ方がマシだ。



 ゴブリンは生殖するために人間の女を攫って、子どもを孕ませて子どもを産ませる魔物だ。この女たちはゴブリンたちの獲物で、子作り道具だった。可哀そうに。


「ひ、ひどい」アニーは手で口を覆っていて今にも泣きそうな顔をした。


「もう・・無理なんじゃない?どう・・する?」いつもクールなセシルでさえ動揺している。


「残酷すぎます・・こんなのは治癒魔法でも治せません・・心も体もです」パスカルは苦しそうに言った。


「ど、どうすればいいんだ、これ?」フィルはいつもの子供っぽい表情ではなく、真剣な顔つきだった。


「彼女たち、もう無理だ。僕は彼女たちを解放して楽にしてあげる。セシル、アニーを外に連れて行って。パスカルとフィルも一緒に出て行って」


「ビアンコ、本当にこの女の子たちを?」パスカルは迷いながら僕に聞いた。


「あー、彼女たちはもう助からない。やるしかないんだ」


「えっ、そ、そんな!で、でもこんなことをビアンコ一人でさせるわけにはいかないでしょう?」アニーは泣きそうな顔をしているのに、僕に訴えてきた。


「アニー、無理すんな。セシル、早くアニーを連れて行って」


「ビアンコ、それはひどいよ!殺すなんて・・こんなひどい目に遭ったのに、どうして彼女たち殺すんだ!?」フィルでさえ動揺して喚いた。「可哀そうだよ!」


「この人たちはおそらくあの村の誰かの家族なんだと思う。フィル、君はそんな人たちのところに彼女たちを連れて行くのか?誰のために?なんのために?連れて行ったら何かいいことでもあるのか?村の人たちが喜ぶと思うのか?彼女たちが喜ぶと思うのか?どうしようもないんだ。こんな残酷なことは誰も知りたくないよ。知らないほうがマシだ。それに・・彼女たちはもう・・生きたくないんだろう」僕は彼女たちに目をやりながら落ち着いた声で言った。


「うぅ・・・」


「こんなことをビアンコに押し付けてはいけません。私も手伝います」パスカルは言ったけど、それは絶対にダメだ。


「仮にも僕はリーダーだ。こんなことは僕がやる。君たち出て行って。ここは僕に任せて。アニーを頼む」僕はみんなを追い出して、みんなが仕方なく出て行った。



 僕はみんなが出て行ったのを見て、ニタっと笑った。


「ふふふふふふふふっ、ははははははっやべぇぇ~~危なかった~~嬉しさでつい笑いそうになったわ~~ふふふふふふふっ」


 僕は笑いを我慢しながら呟いて、女たちを見ると興奮して、心臓がバクバクして、またニタっと笑った。そして僕はオリハルコンの短剣を鞘から取り出してしっかり握った。


(まさかこんな最高のチャンスに出会うとはな。あの村の人たちに感謝しかないよ)


 僕は女たちにゆっくり近づいて女たちを見下ろした。


(君たちはもう大丈夫だ。僕は君たちを解放して楽にしてあげる~君たちはもう苦しむことはないよふふ)


(安心して死んでね~)



 人間で快感に溺れる機会なんてなかなかないことだ。このチャンスを無駄にしてはいけない。 


 僕はこの娯楽を僕の心の底までしっかりと溶け込ませるように、ゆっくりと女たちの心臓に短剣でスッーーと突き刺した。微笑みながら。


 一人、また一人、微笑みながら、ゆっくりと女たちの心臓をスッーーと刺していく。


 短剣が人間の肉を通った瞬間の快感は魔物や魔族とは違っていて、比べ物にならないぐらいとても気持ちがいいものだ。


(ふふふふふふふ)


 僕は五人の女を刺したあと、一旦手を止めた。この愉悦に浸るためだった。僕は喜びでぶるぶる震える僕の体を止めようとしたけど止められなかった。僕は幸せすぎて、心の奥まで喜びで満たされた気がした。


(シアワセダ)


 僕はまた短剣を手に取り、しっかり握って、微笑みながら、残りの女たちの心臓にスッーーーと刺していく。


 僕は僕の中の悪魔も微笑んでいると、そんな気がして、体がまた震えた。


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