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第6章 儚い光

木漏れ日が差し込む森の中を旅を続けていると、空には太陽が低く垂れ込めた。 リリアーヌ、セラ、ミナの3人は、一歩一歩が前よりも重く感じられた。 危険から逃れるための重荷は、日を追うごとに深くのしかかり、言葉にならない重荷を背負っていることが、疲れた表情に現れ始めた。 リリアンはちらりとミナに目をやった。ミナはリリアンのそばにしっかりとしがみつき、その小さな手はまるで命綱のようにリリアンのマントを握っていた。 ミナの大きな琥珀色の目は、今にも何かが飛び出してきそうな気配を漂わせていた。 リリアンは長い間、その恐怖が消えることはないだろうと思っていた。 ミナの耳は神経質そうにピクピクと動き、尻尾は巻いたり巻かなかったりしながら小走りに進んでいく。 リリアンの心はその子のために痛んだ。 彼女は、どんな若い女の子でも耐えられるはずのないほど多くのことを経験してきた。 それでも、彼女には強さがあり、静かな回復力があった。 二人とも生き残ったのだ。

「セラの声がリリアンの思考を打ち破った。 彼女は道を先導し、鋭い目で常に監視し、ナイフの柄から手を離さなかった。 「私たちには休息が必要だし、ミナにも休息が必要よ」。

リリアーヌは同意してうなずき、ミナの手をそっと握って安心させた。 「どうやって持ちこたえるの?

ミナは疲れた表情で、しかし決然とした表情で彼女を見上げた。 「大丈夫、お姉ちゃん」と彼女はささやいた。 お姉ちゃん "という言葉はまだ新鮮に感じられたが、それはミナにとって、自分自身をしっかりと見つめる方法だった。 リリアーヌは微笑み、ミナがそう言うたびに心が温かくなった。

「もうすぐ停まるわよ」リリアンは約束し、キャンプに適した場所を探しているセラをちらりと見た。 「もう少しだけ

聳え立つ木々の間に小さな空き地があり、地面には柔らかい苔が生えていた。 そこは平和で、長い間彼らを苦しめてきた危険とは無縁だった。 セラはうなずいて、もう休んでも大丈夫だと合図した。 リリアンはミナが苔むした地面に落ち着くのを手伝い、マントを脱がせて少女の小さな体を暖かく包んだ。 ミナは小さくため息をつき、尻尾を体の近くに寄せて丸まった。 彼女の目はすぐに閉じ、疲労が彼女を支配した。

「セラはリリアンの向かいに座り、大きな木に背中を預けながら静かに言った。 「でも念のため、私が見張りをするわ」。

リリアンは反論しないほうがいいことをよく知っていた。 セラはめったに眠らず、鋭い直感で常に警戒していた。 リリアンはセラを羨ましく思う反面、心配にもなった。 セラにも限界がある。

「あなたも休んだほうがいいわ」セラはそう付け加えた。 「無理しすぎよ」。

リリアンは背もたれにもたれかかり、視線を暗くなりつつある空に移した。 「いつまで続けられるかわからない。 「一歩一歩進むたびに、避けられないことを先延ばしにしているような気がする」。

セラはすぐに返事をしなかった。 炎が彼女の顔にちらちらと影を落としている。 ようやく口を開いたとき、彼女の口調は落ち着いていた。 「リリアン、歩き続けるのが難しいからといって、世界が回るのを止めることはない。 私たちが動き続けるのは、そうしなければならないからであって、そうしたいからではないのです」。

リリアンはうなずいたが、心はまだ疑心暗鬼で重苦しかった。 彼女は膝を胸に寄せ、脇に置かれた本の重みを感じた。 それは彼女が背負っている重荷、すべてを解き放ちかねない危険な秘密を常に思い出させるものだった。 その本が初めて彼女にささやいた夜以来、彼女は二度とその本を開かなかった。 しかし、誘惑はいつもそこにあり、水面下に潜んでいた。 彼女はミナをちらりと見下ろした。ミナは火の光に照らされ、安らかな表情で眠っていた。 リリアンは手を伸ばし、ミナの額にかかった髪を払った。 その瞬間、リリアンは、どんな犠牲を払ってもミナを守ろうと静かに誓った。

「リリアンはセラにというより、自分自身に言った。

セラはわずかにうなずき、琥珀色の瞳を炎の光に輝かせた。 "私たちはそうする。 一緒に"

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