レジスタンス
橘みのとは1人森の中に居た。
さっきまで真っ暗なところに居たため徐々に目を慣らしているところだ。
この橘みのと超優秀だ。
まず、この世界には魔力が使えるかを試す。
魔力は普通は出し入れする物だが、橘みのと、今もずっと禅を組みながら魔力を流している。
魔力は世界の生命力で、常に使われながら生み出すサイクルを生み出している。
魔力は物質ではない。しかし重力には勝てず下に沈み込んでいく。しかし、この星が生きていく限りずっと隆起と沈降を繰り返すため魔力はずっと下にたまるわけでわない。
これが今の所、座禅を組んで分かったことだ。
ん?勇者が心配だって?
全くそんな感情はない。
そんなことをしていて、考えがまとまったため座禅を辞める。
そして今の状況は…
見渡す限り、東は海、西は山脈、北は森、南は古代の日本の街がある。
この中で進むとしたら南しかないだろう。
数分後…
街に着いた。
ここは半径1キロに城壁がある街だ。
大きいのか小さいのかが分からない。
まずは情報を集めたらいいんだ。
どうやってやればいいんだ?
数分後・・・
そうだ、情報を収集する魔法があったらいいんだ。
場所は既に誰も居ないところに移してある。
「スキル【魔法創造】」
すると、自分から力が少しだけぬける。
それから光が出てくる。
自分の真後ろに魔方陣が出てくる。
それから数十分ようやく光が収まる。
「できたかな…」
「じゃあ試してみるか。【情報索敵】」
するとこの周りに色々な所を映した映像が出てくる。
そこからは、
「最近森で魔物が大量発生したらしい。」
「きゅうりだよ〜安いよ、安いよ〜」
「刀鍛冶は西村の旦那が一番だぜ。」
「ね〜 一緒に遊ぼ〜よ」
そんなありふれた会話から一つ気になった会話が耳に入る。
「領主様、近くの棚田が荒れています。」
「うるさいな〜 今いいところなんだから邪魔するな。次は首だぞ。」
「…はい」
そんな短い会話だったがその領主と呼ばれていた男はすぐにまた女遊びを始めた。
…これは悪徳領主なのではないだろうか。
思えばここは
海に面していて、山もあり平原も森もある。
それなのに、何故こんなにこの都市は荒れているのか。
道は人通りはなく、貧困街で子どもたちが遊んでおり、裕福な子供っぽいものもいない。
現世日本の俺からしてみればここは、治安が悪い田舎町にしか見えないのだ。
はっきり言って汚い。
そんな会話の中で他の会話を見つけた。
「おい! もう我慢できない! 俺はやるぞ。」
「いや、やめたほうがいい。そんな事をしても無駄だ。」
「だが…」
「5年前の事を忘れてしまったのか!」
「ゔぅ…だが、」
「俺たちレジスタンスは何もできない。」
これはいい。
こんな寂れた街でもこんな者たちがいるのだ。
よし、行くか。
「【転移】」
そうしてそのレジスタンスがある部屋へ転移する。
「「え…」」
それからしばらく俺以外の全員の思考が一時停止し、
「殺せぇぇぇぇぇぇぇ」
やっぱりこうなるか。
平和な交渉をしに来ただけなのに。