憎しみの萌芽
前回の投稿予定日にミスって投稿したつもりになってました!すみません!
「へー、そんなことがあったんだ」
放課後、ライリーとクレアも合流して食堂に来た。
着席早々、2人もマーディンの愚痴につきあわされている。
「『それだ、その態度、私がなにかしたか?』だってよ!上から目線で来やがってー!」
「マーディン、よっぽど嫌だったんだ……」
ライリーがちょっと呆れている。
「アーサーくん、いろんな人に声かけてまわってるみたいですよ」
「私も声かけられたよ、騎士になって跡を継ぐのかって。そんなに嫌な感じじゃなかったけどなー」
「でも私はなんだかライリーのついでって感じであんまり印象よくなかったですね」
「王太子殿下にはクレアの良さが理解できねえんだよ」
「やっぱりあれかな?ソフィア先生が言ってた」
「魔族と戦うならってやつ?」
「実技で戦闘向きの魔法を使った人に声かけてるのかもしれませんね」
「俺たちゃ魔族と戦う駒ってことかよ」
「僕、戦闘向けの魔法なんて使ってないけど」
「あの流れであれを農業用だと思う人いないと思う」
つまり、戦闘に向いていると思った人を集めようとしてるんだ。
でも、僕らに話しかけたのも、仲間に引き入れようって感じでもなかった。
とりあえず挨拶だけっていう印象だったような。
いろんな人に話しかけて……値踏みしてる?なんかそんな感じだ。
「そういえばクラスで聞いたんですが、この学校には魔法の研究会があるみたいですよ」
「研究会?」
クレアの話にライリーが聞き返す。
「はい、2年生になったら生徒は研究会に入るらしいですよ。各属性魔法の研究会や、農業とか工業とか、分野別の魔法の研究会があって、興味のある魔法を研究できるんです」
「面白そうだな!パワー系の研究会もあんのか?」
「マーディン、そんなだからアーサーに駒認定されるんじゃない?」
なんだとー!とガヤガヤ騒ぎだしたマーディンとライリーをよそに、クレアは話を進める。
「で、基本的には2年生からなんですが、優秀だと1年生で声がかかる人もいるみたいなんです」
「へえ、そうなんだ」
「さっきの農業用とかって話で思い出したんですけど、やっぱりユウキくんは農業系に興味が?」
「そうだね、僕はずっと畑仕事をしてきたし」
そこまで言って、僕は母の言葉を思いだした。
――これからはあなたの行きたい道を行きなさい。
首を横に振る。違う、母さんの言葉はそういう意味じゃない!
最近、やりたいことを考えるとき、頭に浮かぶようになってしまった言葉がある、
――復讐。
母を惨めにしたのは誰だ?
母を苦しめたのは誰だ?
玉座で贅を教授する英雄王に復讐を!
奴に捨てられ落ちぶれた母の無念を果たすのだ!
そんなことない!母さんは最期、笑ってたんだ!
僕の背を笑って押した、あの母さんが、僕が復讐者になるのを望んでいたわけがない!
僕の怒りを父にぶつけたい感情と、母さんは復讐を望んでいないという理性がせめぎ合う。
「ユウキくん、大丈夫ですか?暗い顔をして」
クレアの声で我に返ると、マーディンとライリーも言い合いをやめて僕を心配していた。
「大丈夫だよ、ちょっと両親のことを考えてただけ」
三人が口ごもる。みんなは養子になったことも知ってるし、何か察したのかもしれない。
マーディンはもう少し複雑だけど。
「あんまり無理すんなよ。なんかあったら俺を頼ってくれていいんだからな」
「私だって!いつでも支えになるよ」
「みんな、ユウキくんの仲間です」
マーディンが、ライリーが、クレアが励ましの言葉を、くれる。
事情を知ってるのはマーディンだけだけど、いつか、二人にも話せる日がくるのかな?
心強い仲間がこんなにいる。
この先何があっても、きっと大丈夫だと、そう思えた。
お読みくださりありがとうございます。
前書きにある通り、今話は3日前に投稿したつもりになってたものですので、今日投稿予定分がもう1話あります。
頑張って執筆してますのでお楽しみに。
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