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召喚二世の革命記  作者: 霜月智
6/12

入学初日

 ――4月。


 僕は遂に、魔法学校への門を叩いた。


 ちなみに、この「4月」というのは暦で、陽と星の動きから時間の流れをを単位にしたものだ。

 元々は「日」という単位しかなかったものに、異世界から来た人間が星を観測して「月」という単位を加え、今の形になったと言われている。

 彼がこの世界に来た日を1月1日として、一年という周期が定められている。


 魔法学校の生徒は基本的に寮で生活することになる。

 寮には1人部屋と2人部屋があり、僕は2人部屋に入ることになっている。


 部屋のドアを開ける。

 まだルームメイトは来てないようだ。


 僕はは荷物もほとんどないので、荷ほどきもすぐに終わってしまった。


 時間ができたのでドミニクさんから貰った本を読んでいると、ドアが開き、1人はの少年が入ってきた。


「あれ?もう来てんの?絶対俺のほうが早いと思ったのになー」


 軽い調子で少年が言う。


「荷物もないから早くって」

「そっか。俺はマーディン・ウーソンってんだ、これからよろしくな」

「ユウキです、よろしく」

「なんか堅いヤツだなー、一緒に生活してくんだ、もっと気楽にやろうぜ」

「わかったよ、マーディンがその方がいいなら」

「お、ノリがいいな、なんだか楽しくやれそうだぜ」


 気さくなルームメイトでよかった。

 その後は、マーディンの荷ほどきを手伝っていたら時間になったので校舎に向かった。


 入学式が行われ、それから各教室に案内された。

 100人の新入生が4クラスに分けられている。

 うちのクラスも25人だ。


「おうユウキ、クラスまで一緒だな」


 教室に入ると、マーディンが手を振ってきた。


「マーディン、これ、何の騒ぎ?」

 教室内がざわついている


「さてね、このクラスは有名人が多いみたいだから」

「そうなのか?」

「ああ、なんたって王太子殿下がいるくらいだしな」


 マーディンが後列窓際に座る少年に視線を移す。

 殿下が嫌そうにこちらを一瞥し、口を開きかけて、


「はいはい、着席してください」


 教員と思しき女性が入ってきた。


「このクラスを担当するソフィア・ウィンザーです。これから3年間、皆さんはこのクラスで共に学んでいくことになります。様々な立場や境遇の人がいると思いますが、ここにいる間は等しくひとりの生徒です。それを忘れないでください」


 それから、1人ずつ自己紹介をした。


 たしかに、有名人が多いというのは事実のようだ。

 どこそこの貴族の娘だとか、なんとか商会の御曹司だとか、王都の騎士の家系だとか、そういう自己紹介が多かった。

 まあ、かく言う僕もコルター商会の養子ってことになっているわけで……。


 でも、両親のことを誇らしげに話す彼らは、少し眩しかった。


 ――僕の父さんは、どんな人だったんだろう?



「ユウキー、飯にしようぜ」


 昼休み、マーディンが食堂に誘ってくる。

 魔法学校の生徒は基本的に、食堂で昼食を取ることになっているのだ。


「それ、私たちもご一緒していいかな?」


 そこに、女の子が話しかけてきた。


「ええと、ライリーさん、それと……」

「クレアです。クレア・ハリントン」


 そう、クレアさんだ。


 ライリーさんは明るい色の髪を後ろで纏めた、気が強そうな少女だ。

 両親共に騎士で、王都の近くに領地を持つ名門だと言っていた。


 クレアさんは長い髪をストレートにしたおとなしそうな少女で、明るく優しそうな笑顔が印象的だ。

 パンディアに近いパストーという地域を治めている貴族の令嬢らしい。


「私たち地方から来ててさ、このクラス王都出身の人が多いからさ、なんだか気後れしちゃって……よかったら、仲良くできないかなって」


 視線でマーディンに確認を取る。


「いいんじゃねえか?友達は多いに越したことねえしな」

「じゃあ、一緒に行きましょうか」


 こうして、4人で昼食を取ることになった。


「へー、じゃあユウキってパンディアの人じゃないんだ」

「はい、コルターさんが村に訪れたときに声をかけてもらって、王都に来てから養子になったんです」

「そっかー、残念だったねクレア、生まれが近いから話が合うかと思ったのにね」

「ちょ、ちょっとライリー!」


 どうやらクレアさんは、僕との地元話を期待してたらしい。


「2人は仲良さそうだけど、入学前から付き合さいあったりすんの?」

「いえ、席が隣で少しお話ししたばかりです」

「クレアは優しくてとっても話しやすいの。」


 ライリーさんが自慢をするようにクレアさんを褒める。


「この学校にいる間はせめて、対等の友人というものが欲しくて」

「まあ先生が言ってたのは、他の生徒を生まれで虐げたりすんなって話と、お偉いさんちの子供だろうと贔屓はしないって話だろうけどな」

「そっちはどうなの?仲良さそうだけど」

「僕たちも今日が初対面です。実は寮が相部屋で」

「ユウキが俺の荷ほどきを手伝ってくれてな」

「だってあの荷物、絶対式までに終わらなかったでしょ」

「ああ、ユウキが大荷物だったら危なかったな」


 ははは、と、僕とマーディンが笑い合う。


「ユウキさんも、私たちにも気軽に話してくれていいんですよ?」

「そうそう、マーディンに話すみたいにさ」


 どうやら、僕の話し方はライリーやクレアに壁を感じさせてしまっていたようだ。

 マーディンにはくだけた話し方なのに2人には畏まってるんだから、それはそうか。


 クレアさんの話し方は敬語なのに壁を感じさせなくて凄い。


「同じ歳の生徒には、みんなくだけた話し方でいいと思うぞ」

「ためしに呼んでみて、私のこともライリーって」


 ライリーさんが期待してこちらを見ている。


「わかったよ。改めてよろしくね、ライリー、クレア」


「うん!よろしく!」

「よろしくお願いしますね」


 入学初日。

 僕に初めての同い年の友だちができた。

 なんだかうまくやっていけそうな、そんな気がした。

お読みくださりありがとうございます!

よろしければブックマークやいいね、コメントなどもくださると励みになります。


本当は昨日中に書き上げる予定だったんですが、遅筆すぎて間に合いませんでした。

新しく出てきたユウキの学友、気に入ってもらえると嬉しいです。

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