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36話 潤の悩み

 

 幼児ちゃんともお別れし、美月ちゃんも編集作業をしないといけないとの事で解散の流れとなった。


「今日はありがとう! お姉ちゃん、潤さん! とっても楽しかったよ!」


「うむ、ときめも楽しかったぞ!」


 とはいうもののまだ神社はお祭りの人でたくさん居る状態だ。これじゃあ、神社に戻れないんじゃないかな?


「じゃあ、後は大人の時間だね! 子供はここらで退散するとします!」


 いや、俺の二十倍は生きてらっしゃるので子供では無いかと思いますけど……。


「そうじゃの、子供はもう寝る時間じゃ」


 そこは子供扱いなんですね、お姉さん。しかし、この人じゃ流石にバレるんじゃないかな……。


 ふと風が吹き、一瞬、気を取られた。次の瞬間には既に美月ちゃんは居なくなっていた。便利というか、なんというか。


「神風と呼ばれるものじゃ、さきの風が吹けば神以外のいかなるものも意識がそちらに向くのじゃ」


 なんか特攻しそうな勢いであるが、神の世界は奥深い……。


「少し喉が渇きましたし、神社の前の喫茶店で休憩してから戻りましょうか」


「おお、いいのう! またあの甘いやつが飲みたいのじゃ!」


 まあ、あれからだいぶ時間が経ってるし、喫茶店の方もほとぼりも冷めているだろう。




 喫茶店に入り早速、飲み物を頼んだ、俺はアイスコーヒーを、ときめはご所望通りミックスジュースだ。


「さきの幼子に対する潤はかっこ良かったのじゃ、ときめはまたときめいてしまったのじゃ!」


 うん、ちょっと声が大きいかな? 一応、前に居たお客さんは居ないと思うけど。


「はは、それは何よりです……あ、あの――」


 言葉を言いかけた時に頼んでいた飲み物が届いた。マスター、ご無沙汰しております。


「なんじゃ? なにか聞きたい事でもあるのかの?」


 ミックスジュースを飲みご満悦の様子だ。でも今、言う事じゃ無い、かな……。


「い、いえ、なんでもありません。どうです? 美味しいですか?」


 そう言って俺もアイスコーヒーを一飲みし、再びときめを見ると先程の笑顔は消え、随分ご立腹モードになっていた。素早い変化ですこと……。


「隠し事とは良く無いのじゃ! 言うのじゃ!」


 こ、声! そして席を立たないで! ほ、ほら! またお客さんに注目の的に! な、なんかこの光景見覚えあるんですけど……。


「い、言いますから、とりあえず座って下さい!」


 はあぁ……またお客さんが聞き耳立ててるし、マスターは苦笑いしてるし……。


「あまり考えないようにしていたのですが、俺はときめとずっとは居られません、人には寿命がありますから……」


 ときめは神様、俺は人間。そして人間には寿命がある。そればかりはどうしようもない。


「……潤はときめの事は好きか?」


 冷静に問いかけてきた。てっきりヒステリックを起こすものだと構えていたのだが。


「もちろんです。当り前じゃないですか」


「では……ときめを嫁にもろうてくれるのか?」


「それも、もちろんです。ですが、先ほども言った通り……」


 ときめはミックスジュースを一飲みし、笑顔で答えてくれた。


「なら問題無いのじゃ! 悩む事では無いのじゃ! ときめは潤の嫁になるのじゃ!」


 いきなり立って大声で!? いや、あの! 何も解決してませんから!


 周りから巻き起こる拍手にときめは手を振ってこたえ、ミックスジュースをズビズビと飲んでる。よし、俺もアイスコーヒーを一気に飲んでと。


「マスター! ご馳走さま! お金置いておきますね! お釣りは取ってて下さい!」


 ときめ手を引き、喫茶店を後にした……。このお店は俺にとって鬼門なのかも知れない……。



 家までは歩いて五分、意外と機嫌のいいときめと裏腹に俺は困惑している。さっきの悩みは解決していない訳だし……。


「なんじゃ、まだ悩んでおるのか? 大丈夫じゃ、安心するのじゃ」


 まあ、神様がそこまで言うのなら気にしないでおこう。ときめは俺の彼女でお嫁さんになってくれる人、それだけは変わらないのだから。


「その時がくれば全て話すのじゃ」


「はい、分りました。ときめの言う通りにしますね。それじゃあ、家に帰ってまんじゅうと珈琲でも飲みましょうか!」


「おお、いいのう! 少し小腹がすいてたのじゃ! でも珈琲は甘めがいいのじゃ」


「分かってますよ、カフェオレにしますね」


 腕を組み、秋の風を受けながら帰宅した。俺も早くときめの気持ちに応えてあげなければいけないな。


「まんじゅう、まんじゅう、楽しみなのじゃ!」


「ところで、あのうさぎのぬいぐるみ、あげちゃって良かったんですか? 結構もふもふで可愛いかったのに」


 ときめが急に足を止めて頬を膨らましてる……え、可愛いんですけど。


「だからじゃ! あの家にはもふもふは要らないのじゃ! もふもふはときめの尻尾だけで十分なのじゃ!」


 あ、大きくてもふもふの尻尾が。って出しちゃダメ! ひ、人居ないよね!?


「わ、分りました! 尻尾とケモミミ出てますから! 早くしまって!」


「むむ、いかんいかん、つい……」


 とりあえず、収納してくれた。そうか、うさぎのぬいぐるみに嫉妬してたのかぁ。悪い事しちゃったなあ。


「ダメじゃからの! ときめの尻尾以外はもふもふするのは禁止じゃ! そんな潤を見ると悲しくなるのじゃ……」


 うわあ~美月ちゃんの尻尾に触ったことは墓まで持っていこう。ときめを悲しませる訳にはいかない。


「よおし、早く家に帰りましょう! そして今日ももふらせて下さいね!」


 その夜はしっかりとときめの尻尾をもふらせてもらった。最近寒くなってきたからとても心地いいのだ。ときめもうさぎが居なくなって一安心の様子だった。


 幼児ちゃんも喜んでいたし、収まる所に収まって万々歳だ!


秋祭り編、今話にて終了となります!

ブクマ、評価、感想いつも有難う御座います、次回はクリスマス編となります!

今回は間隔を空けずに投稿して参りますのでお楽しみ下さいませ!

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