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31話 NTRときめ?


 美月ちゃんが落ち着いたところで改めて三人揃ってのティータイムとなった。ときめはショートケーキを口に運んだのだが、あまりお気には召さなかったようで眉間にしわを寄せている。


「この白いのは感触がふよふよするのお、美味しいのじゃがなんかあまり食べている気がしないのじゃ」


 どうやら生クリームの食感がいまいちらしい。まあ、好き嫌いはあるだろう。


「じゃあ、これはどうですか?」


 差し出したのは和スイーツであるモンブランだ。これなら、好みに合うかも知れない。


「む、食べてみるのじゃ……ほう、これは栗じゃのう! こっちは食感も良く美味しいのじゃ!」


 尻尾をぱたぱたしだした。やっぱりときめは和の物が好みのようだな。じゃあ、ときめの食べかけのショートケーキは俺が食べるとしよう。


「ま、待つのじゃ! 潤はそれを食べるのかの?」


「え、ええ。俺はショートケーキも好きですから」


 どちらかと言えば珈琲にも合う洋菓子は嫌いでは無い。ときめと出会ってからはすっかり和菓子がメインになってしまっているが。


「ちょ、ちょっと、ま、待つのじゃ! た、確か……」


 何処からか取り出したメモ帳を必死にめくってなにかぶつぶつ言いながら小さく頷いている……一体何でしょうか、それ。


「ふむふむ。よし!」


 どうやら確認を完了したようだ。メモ帳を閉じテーブルに置くと、先程食べたショートケーキをフォークで一口分すくった。やっぱり食べるの?


「じゅ、潤……あ、あ~んなのじゃ……」


 ケーキの乗ったフォークを持ち、袖に手を添え、照れた顔で俺の口元へと運んでくれようとしている……こ、これは!


「あ、あ~ん……」


 言われた通り、口を開くと笑顔を向けてくれた。


 ときめの手によって口の中に運ばれたケーキは、生地はふわふわでスポンジと生クリーム、そしてイチゴの酸味が口の中に広がった。とっても美味しいショートケーキだ。美月ちゃんが一目置くだけはある。


「お、美味しいかの?」


 少し首を傾げ再び笑顔を向けてくれた。こんな高等技術を一体何処で……。


 ふとテーブルに置かれたメモ帳に目をやると、ひすいさんのデフォルメキャラが描いてあった。情報元はそこか……。


「ええ。とっても――」


「口元に付いておるのじゃ――ふふ……」


 口の端についていたのだろう生クリームをときめの細い指でふき取られ、そのまま自分の口に運び食べてしまった……。


「本当はそのまま舐めたかったのじゃが、それはしちゃダメって書いてあったのじゃ……」


 ちょっと残念そうな顔を覗かせているが……もう俺は幸せでとろけそうです! ああ、なんて素敵な彼女なんだ。でもとっても恥ずかしいな……。


 どうやらときめも恥ずかしかったようで二人して俯き、もじもじしていた。


「さっきからなにやってるのお!! 当てつけ!? 当てつけなの!? 彼氏のいない哀れなきつねに対しての嫌がらせ!?」


 い、いかん! 美月ちゃんがブちぎれてる! しまった、つい甘美な空気に身を委ねて存在をすっかり忘れてた!


「そっちがその気なら……ふふ、動画配信で……全視聴者に伝えて……社会的に……」


 やばい! 完全に闇化して笑ってる! 神様にあるまじき顔をしてるし! それに社会的に殺すのはやめて! まだ働かなくてはいけないの!


 た、確かこれって『暗黒微笑【だーくねすすまいりんぐ】』って言うんだっけ!? ネットスラングの一つみたいだけど、本当にしてる人初めて見たぁ!


「す、すみません! 美月ちゃん、もうしないですから! ほ、ほらときめも!」


「う、うむ。済まぬのじゃ。ついいつもの感じが出てしまったのじゃ……」


「むっきぃ~!! いつもそんな甘々な事してるの!? ねえ、お姉ちゃん!」


「こ、これ! やめるのじゃ、落ち着くのじゃ! あはは、こそばゆのじゃ!」


 ときめと美月ちゃんが取っ組み合いになってる……喧嘩とかじゃなくてじゃれているだけなのだが……。きつねさんが二人で……最高の絵面じゃなかろうか。


「じゅ、潤も止めるのじゃ! あはは、そこはくすぐったのじゃ!? や、やめぬか、美月!」


「ふふ、お姉ちゃんの弱点は知ってるもん、うりゃあ~!」


 よし、そろそろ止めよう。これ以上やると巫女さんの服がはだけて……うん! 下着を着て無い!? ちょ! 見えそう! 二人とも見えそうになってるから!?


 そ、そうか、もともと巫女の服装にはいわゆるランジェリーと呼ばれる物は身に着けない。いわば正装はこの形になる訳か!


「ストップ! 二人とも見えそうになってますよ! いろいろと!」


 その言葉に二人の動きは止まったのだが、ほんっとぎりぎりの状態だ。まさに神ががっているとしか言いようが無い。奇跡的に見えてはいけない所が隠れてる……美月ちゃんは控えめなお胸と……。


「潤! また美月を見ておるな! 約束したでは無いか! 好色の目になっておるぞ!」


「え!? 私、NTRしちゃってるの!? あわあわ……」


「寝取られてません。どちらといえば今の状況では俺が言う言葉です」


 この子は最近の言葉を良く知ってるから要注意だ。しっかり釘をさしておかないと。


「ち、違うのじゃ! ときめは美月を寝取ってなぞおらぬのじゃ! 寝取るのは潤だけじゃあ!」


 ときめそれ、使い方の意味が違う……。それじゃあ俺に別の彼女が居る事になっちゃうから。


「そんな事より、早く二人とも衣服の乱れを直して下さい……」


 先程から全く話が進まない……このままじゃ夜が明けちゃうよ? 


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