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26話 闇組織……?

 

 美味しい晩ご飯を頂いている始終、翔の目は死んでいた。まあ、完全拒否されたもんな……。


「ご飯を食べたらみんなで花火をしましょうか。大きな花火もいいですが、手持ち花火も風流ですよ」


 ひすいさんからお誘いがかかった。確かに翔達がその気になればどこの花火大会よりも壮大な打ち上げ花火を用意しそうだ。


「おお、花火とはいいのお! 早くしたいのじゃ!」


 うん、でもこの料理どうしよう。まだ九割ぐらい残ってるけど……。料理の方を見ていると翔が感づいたらしく、声を掛けて来た。


「ああ、大丈夫ですよ、先輩。残った料理はスタッフが後で美味しくいただきますから」


 どっかのテロップみたいなセリフをどうも。





「綺麗じゃのお~」


「そうだね!」


 美女二人が海岸で手持ち花火を持ってはしゃいでいる。衣装もこの前に作った浴衣を着てくれており、大人の魅力を更に上げている。


 今まで女性の服は作って来なかったので、仕上がりが気になる。全体的にもう少し絞った方が良かったかも……おっと、今は休暇中だ。つい自分の服を見るといろいろと考えてしまう。職業病だな。


「……先輩、お話が」


 翔が声を低く話しかけて来た。


「……アレ、後で持って来てくれませんか?」


 まだ諦めて無かったのか……ある意味凄い執念だ。この貪欲さこそ社長に必要な能力なのかも知れない……いや、違うな。これはただの私欲だ。


「うん? どうしました?」


「いや、何でも無いよ。花火が終わったら先輩と軽く一杯飲みましょうって話してたんですよ」


 成程、その時に持って来いと。


「むむ、ときめも行きたいのじゃ!」 


「ときめさんとひすいには日中の日焼けのケアとしてエステを用意してるよ。そこでじっくりモチモチプルプルの肌になって下さいね」


 おお、完全に下準備してましたね……。


「それじゃあ俺も花火をさせてもらいましょうかね、えっと、あ、これこれ」


 選んだのは線香花火だ。やっぱり俺は花火といえばこれだ。大きな花火や色とりどりの花火も良いのだが、これが一番好きなのだ。


「おお、それはなんじゃ? 地味な花火じゃの」


 線香花火を知らないとは意外だ。


 俺の横に屈み込み、その様子を眺めている。その様子はとても艶やかで色っぽい……おっと、集中しないと火種が落ちちゃう!


「……この花火、とても綺麗とは思いませんか? 派手さは無いですが、小さく火花を散らしてとても可愛いですし、眺めてると感情移入しちゃうんですよ」


「確かに……じっと見てると、なんだか少し寂しい気持ちになるのう……」


 儚く、美しい……人生の縮図、なんてね。


「この花火だけは、他の花火と違って『考える時間』をくれる花火だと思うんですよ」


 実際、線香花火を振りまわして『ヒャッハー!』しているお方はあまり見かけない。


 そもそも、振り回したら折角の線香花火が瞬殺されてしまう。


「……なんか、かっこいいのお。潤は歌人じゃの……」


 あ、火種落ちちゃった……そんな不意打ちするから。そんな大層なものではありませんよ。


 絶対に心の中で『ヒャッハー!』って叫んでいた事は内緒にしておこう。





 薄暗いBARのカウンターに一人の男が居る。今回の依頼人だ。一つ席を離して俺も座る。カウンターにはダンディなマスターがグラスを拭いている。


 すると、隣の席からショットグラスが流れて来た。中身はウイスキーのようだ。


 手に取り、一飲みする。


「ごほっ! ごほっ! アルコール度数高! やっぱストレートはキツイ!」


 BARに響き渡る俺の声……。


「おほん……例のブツだ」


 何も無かったかのように袋を取り出し、隣の席にスライドさせた。


「確かに……誰にも付けられてないだろうな……」


「ふ、そんなへまを俺がするとでも? それよりも中身を確認してくれ……」


 注意深く辺りを見回しながら依頼人は袋の中身を見るとニヤリと笑みを浮かべた。


「確かに……これで……お前は用済みだ」


 黒く輝く塊をこちらに向けて来た。ほう、そう来るか……。


「アデュー、永遠にな……」


「まあ、待ちな、俺を殺るのは簡単だが……そんな事をすれば秘密が全部ばれるぜ? 俺はペースメーカーを付けている。後は分かるよな? 俺を怒らせるなよ?」


「なっ……じょ、ジョークだ。そうカリカリするなよ、相棒」


「何してるのじゃ?」


『うっひゃあ!!』


 な、なぜときめが!? エ、エステは!?


「な、何でもありませんよ! ちょっと翔と昔よくやってた遊びをしてただけですから!」


 そう、翔とはバイト中によくやっていたのだ。『闇組織ごっこ』を。よくバレて店長に注意されてたっけな。


「その袋の中身はなんですか?」


 ひ、ひすいさんが袋の中を……ミッション失敗だ。


「こ、これは、そ、その、あの……」


 が、頑張れ! 翔!


「なんじゃ? さっきの水着をそんなに見たいのかの? なんならときめが見せてやってもよいのじゃ」


 え、ダメ! それはダメ! 普通の服じゃないからアレは!


「にゃ、にゃにを言ってるにゃ! そんな事させないにゃ! き、着るにゃ! 翔、は、早く、行くにゃ!」


 おお、袋を持って……まさかのときめアシスト!


「なんじゃ? 顔を真っ赤にして行きおったぞ?」


 貴女は一人のケモナーの夢を叶えたのです……無自覚っぽいですが。ところでエステは?


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