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25話 続きはお風呂で

 

 怒り心頭のときめを連れ、一度部屋に戻った。もうすぐで夕食となるので、海水を洗い流す為にお風呂に入る事にしたのだが。


「これは……入れたらいいのかな?」


 お風呂場の入口に添えられていたかごを見てふと腕を組み考える。


 かごに盛られていたのはたくさんの薔薇の花びらである。薔薇風呂か、なんかテレビでは見た事あるな……。


「なんか、掃除が大変そうだし、やめておこうかな」


 まあ、考え方が庶民染みているとは思う。


 湯船に浸かると、少々肌に痛みを感じる。やはり日焼けしていたようである。最初にはしゃいだ時のダメージだろう。ときめも同じ状態だと思うので気を付けるように言ってあげ――


「ど、どうじゃ? 似合うかの? こ、これなら一緒に入れるのじゃ」


 紺色の生地を身にまとい、はち切れんばかりに膨らんだ胸部。大きな尻尾にケモミミ……ときめがお風呂場に現れた。


 胸元には平仮名で書かれた『ときめ』の三文字。しかし胸の大きさのせいで横に伸びてしまい、ちょっと読みにくいものとなっている。


 ……着ちゃったの? スクール水着を。


「ダ、ダメですよ! 俺は裸なんですから!!」


 タオルも手元に無いので湯船で回れ右した。しかし、これではときめの水着姿が見えない……なんたるジレンマ! 


「そ、そうじゃったの。うっかりしておったのじゃ……」


 声に元気が無くなった……し、仕方無い。


「俺の水着がそこにかかってますので、取って頂けますか。そ、それなら一緒に入ってもいいですから……」


「わ、分ったのじゃ! 取ってくるのじゃ!」



 水着を投げ渡してもらい、湯船の中で再び水着を着た。一体何をしているんだか……。


「ふう……いいですよ、さあ、一緒に……」


 改めてときめの方を見ると言葉を失った。先ほどは一瞬見ただけであったが、ケモミミ、尻尾にスクール水着、プラス名前入りで伸びてしまってる文字。正直、ここまでの破壊力があるとは思っても見なかった。


 最初、テーブルに置いてあったメロンが二個入っているかと思ったよ……。


 神だ……神がここに居る。比喩的にも事実としても。


「やっぱりときめはこっちの方が好きじゃのお。あまり恥ずかしく無いのじゃ」


 いや、確実にそっちの方が恥ずかしいんですよ。お願いですから余所で着ないで下さいね?


「水着同士なら恥ずかしく無いのう! さあ、一緒に入るのじゃ!」


 いや、まあ……プールと思えばいいのかな? あ、そうだ、日焼け――


「いっ!? 痛いのじゃっ! 熱いのじゃ!」


 湯船に勢い良く浸かったときめは日焼けの痛みに驚いたようで、そのまま俺に飛びついて来た。


 水着越しに伝わる弾力と共に肌が触れ合った。


「と、ときめ!? お、落ち着いて、日焼けしているだけです……か……ら」


 抱き抱えたときめの瞳は驚きと痛みからか、潤んでいる。


 咄嗟とはいえ、ときめを抱きしめている。先ほどのキスの時とは明らかに違う、お互いの体が触れ合った状態。


「ううぅぅ……痛いのじゃ、これが日焼けなのじゃな、肌を出して外にはあまり――」


 言葉途中でときめの唇を奪った。我慢出来なかった。


「ん……ぅん……」


 長く、優しく……。




 体が火照ってるのは日に焼けたせいでも無く、お風呂に長く入り過ぎた訳で無い。完全に舞いあがっているからだだろう。


 着替え終わり、リビングのソファーに腰掛けているのだが、ときめの表情がとても甘いものになっている。お風呂でのキスがよっぽど衝撃的だったようだ。


 もちろん、状況的に邪魔が入る訳が無いので、今回は時間が短いなどという事は無かった。


「なんか……更にときめが近くに感じれるようになりました」


「と、ときめもじゃ……これが恋なのじゃな……なんと甘美なものなのじゃ……」


 尻尾がせわしなく揺れ動いている。照れてるのかな?


 まあ、キスはともかく、シュチエーションがかなりやばい。お風呂場でスクール水着だもんな。


 絶対に人には言えない!


 ファーストキスの事は聞かれる事が多いかも知れないが、セカンドキスは何処で? なんて事はまず言われないだろうから安心ではあるが。


「さて、翔達を待たせる訳にはいきませんので、夕食会場へ向かいましょうか」


「はぁぁ……良かったのぉ……」


 とろとろになってしまってる……あの、しっかりして下さいね。俺よりもよっぽど純粋なお姉さんですよ。




 ただっ広い会場に辿り着くと、ビュッフェとオーダーして目の前で調理してくれるような形式となっていた。


 四人しかいないのにシェフが十人ぐらい居るし、明らかに料理の量がおかしい……。


 すでに翔とひすいさんは先に席に座っていた。


「すみません、お待たせしましたか?」


「いえ、僕達も今来た所ですよ」


 ときめと席に座るや否や、怯えながらひすいさんが声を掛けてきた。


「あ、あの……ときめ? さっきは――」


「うむ、構わぬのじゃ、気にするで無い」


 先程とは打って変わって上機嫌なときめにひすいさんも驚きを隠せないようだ。


「あの後、しっかり潤に続きをしてもらったのじゃ。スクール水着と呼ばれるものを着て一緒にお風呂での」


『ガタッ!』


 俺と翔が同時に立ち上がった。俺はときめを見ているが、どうやら翔は俺を見ているようだ。


「ときめ! それは言っちゃダメ!」

「先輩! ずるいですよ!」


 いや、翔、ずるいって……。俺が頼んだ訳では無いですから……。


 ときめは両手を頬に当てて目を閉じ、思い出しているのだろう、体をくねらせている。反動で胸も……。


「にゃ……で、でもときめの機嫌が良くなってるならそれでいいにゃ……翔、私は着ないからね」


「えっ……」


 完全に望みを絶たれたか……。


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