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23話 海を満喫!

 

 照りつける太陽に白く光る砂浜は、とてもきめ細やかなものでさらさらとしている。見渡す海も穏やかな白波を立て、寄せては返すを繰り返している。人の気配は一切感じない。


 南国リゾートを彷彿させる作りであり、ヤシの葉で作った日陰小屋みたいなものまである。


 ホテルからビーチへは専用通路で直通となっており、ホテルから出るとすぐこの景色だった。完全にプライベートビーチと化している。


「飲み物とかはそこのお店で好きなものを頼んで下さい! 軽食なんかもありますから」


 この贅沢さはちょっと怖い。こっちは庶民なんだから……。


「大きいのう……広いのう……これが海なのじゃな……」


 感動されている神様が居る。じゃあ、早速海に入りに行きますかね。


「じゃあ、私はときめと少し海に入って来ますね。翔達はどうします?」


「僕達は少しここでゆっくりしておくよ。なにか飲み物も頼んでおくからときめさんに海を見せてあげて下さい」


「ときめ、海の水は飲んだらダメだよ。しょっぱいからね」


 ひすいさんがナイスアドバイスをくれた。そうだった。これを伝えておかないと大変な事になる。


「しょっぱい?」


「まあ、行けば分かりますよ。じゃあ行きましょうか!」


 俺も海水浴なんて久しぶりだ。ちょっと大人げなくはしゃいでしまいそうだ。


「あ、待つのじゃ! 潤~!」




 海水に足を付ける……ああ、冷たくて気持ちがいい。そのままダイブしたい気持ちもあるが、流石にときめを放っておく訳に――


「し、しょっぱいのじゃ!」


 何故飲む……。


「もう、さっきひすいさんが言ってたじゃないですか。海水には塩分が含まれてますからね。飲まないようにして下さい」


「うう、分ったのじゃ……」


「じゃあ、もう少し先まで行ってみましょう」



「冷たくて気持ちいいのお……」


 なんかお風呂に入ってるみたいに座ってる……まあ、いいんですけどね。


「ときめ、あまりぎりぎりまで顔を近づけると――」


「ぶはっ!! ケホケホ……しょっぱいのじゃあ!!」


 波、かぶりますから。海ですからね……。ケモミミのふさふさ感が無くなっちゃいましたね。


「はは、波がありますからね。気を付けないと――うわ!」


「潤も味わうのじゃ!」


 ときめが手で海水をかけてきた。よ~し! それなら反撃させてもらおう!


「やりましたね、それ!」


「ぬおお! 負けぬのじゃ!!」


 必死になって手を回しているきつねさんがとても可愛らしい。そういえばときめと一緒に遊ぶって無かったな。もっといろんな所に連れて行ってあげないとな。




「はぁはぁ……そ、そろそ休憩しましょうか。喉も乾いてきましたし」


「そ、そうじゃの……でも楽しかったのじゃ!」


 眩しい笑顔をプレゼントしてくれた。まさか水着の美女とこんな風に遊べる日が来るとは……それ以上に神様と遊べる事の方が奇跡か。


「ときめの尻尾ってそんなに細いんですね」


 ふと気が付いたのだが、尻尾が濡れてとてもスリムになっている。こちらももふもふ感ゼロだ。


「……それ!」


 尻尾を大きく振られ、海水が飛んで来た顔にかかった。尻尾の方はちょっとふっくらしたようだ。


「ちょ、ちょっと、ときめ!」


「ときめの勝ちなのじゃ~!」


 そう言うと翔とひすいさんの居る場所に走って行った。いやはや、一本取られた。




 日陰に戻ると翔が頼んでいてくれた飲み物が置いてあった。トロピカルジュースのようだ。彩りがとても綺麗でハート形のストローまで刺さっている。


 良く聞くシュチエーションだが、実際見るのは初めてだ。


「先輩、楽しそうに遊んでいましたね。まるで子供みたいでしたよ?」


 いやあ~お恥ずかしい。童心に帰ってました。


「お昼を食べたら今度はみんなで遊びましょう!」


「うむ、みなで遊ぶのじゃ! いっぱい遊ぶのじゃ!」



 ハートストローで照れながら二人で飲み物を飲み、賑やかにお昼ご飯を食べ、今度は四人で遊ぶ事になったのだが、ここで問題が起こった。


「さて、遊ぶ前に僕は日焼け止めを塗っておきますね」


「ひすいも塗りま~す」


「なんじゃそれは?」


 ああ、忘れてたな。ちょっと遅いかもしれないが、俺達も塗っておいた方が良さそうだ。さもないとお風呂に入る時に激痛にさいなまれる。


「ときめも塗っておきましょう。日焼けすると痛いですからね」


「これを体に塗るのじゃな……むむ、背中が届かぬのじゃ……潤、塗って欲しいのじゃ」


 ……え? あ、そうか、そうなるか。良く考えたらときめの肌を触るのって無かったよな……ま、まあいいよね、か、彼女だし。


「い、いいですよ……じゃ、じゃあ背中向けて下さい」


「ん……あ……」


 うわあ……すべすべして白くて綺麗な肌だ。は、恥ずかしい……。


 遠慮しながらゆっくりと塗っているのだが、ときめの声が悩ましげで……も、もっとゆっくりの方がいいのかな?


「ひゃ……んくぅ……じゅ、潤……」


 え、あれ? 違うのかな? 余計に瞳が潤んで口元も緩んでるような……ど、どうやって塗れば――


「にゃああ!! さっさと塗るにゃあ!! ひすいが塗ってやるにゃ! うにゃにゃにゃにゃあ!」


「こ、こそばゆいのじゃ! や、やめ――あはは! やめるのじゃあ~!」


「じっとするにゃあ!! まったく、胸が大き過ぎるにゃあ!!」


 背中を塗り終わり、胸の部分も塗りたくられてる……。



「翔……」


「先輩……」


 何故かは分からない。だが、二人の美女達が日焼け止めを塗っている姿を見て、無意識に握手した。


 翔の目はまるで神秘的な何かを見ているような眼差しであった。そしておそらく、俺も同じだろう……。


 実現に神様だから言葉通りなんだけど、それとは違った尊い目で。


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