22話 水着披露
渡されたカードキーで部屋に入るとこれまた驚きの空間であった、おそらくVIP用の部屋なのだろう。俺の住んでる部屋よりも広い。
入口にはウエルカムシャンパンとフルーツが添えられ、豪華ソファーな目に留まる。キングサイズのベッドにテラスまである。
お風呂場もジャグジー付の数人レベルで入れる大きさの浴槽にガラス張りとなったオーシャンビューとなっている。
「な、なんか落ち着かないのじゃ……」
すでにケモミミと尻尾は出しっぱなしOKとしているので、その素振りから表情以上に感情が読み足りやすいものとなっている。
怒っている訳では無いので毛並みは逆立っていないが、せわしなく左右に振れている。
「確かに、高級感がありますね……まあ、今回は翔に甘えさせていただきましょう。フルーツも良かったら食べて下さいね」
一通り部屋を見て回ったので荷物の整理をすることにした。ひすいさんの水着はすでに渡してあるのでときめにも水着を渡そうと思う。初公開になるが、気に入ってくれるだろうか。
「それではこれに着替えて下さい。海で遊ぶ用の服ですよ」
「おお、そのようなものがあるのじゃな……こ、これは下着!?」
あ、いや……確かに水着も下着も似たようなものかも知れないですけど。
「ちょ、ちょっと恥ずかしいのじゃ……これを着て外に出るのじゃな……」
意外と抵抗があるみたいだ。確かにときめからすればカラフルな下着にしか映らないのかもしれない。
「あ、あとこれも付けてもらえれば水着の部分は隠れますので」
「おお、腰布があるのじゃな。それならばいいのじゃ! でもときめはそちらの方がいいのお。名前も書いておるし」
そうだね、腰布って言うのがなんとも言えませんが、それでパンツの部分は隠れ――ああ! 荷物を出した時にアレが見えちゃってる!!
「こ、こここれは、予備なので!! そ、そちらの水着を着て貰えますかね!?」
「なんじゃ? 何を焦っておるのじゃ? 怪しいのお……それ!」
一瞬の隙を突かれ、アレ……『スクール水着』を取られた。ひすいさんの分も。
「やはりこちらの方が下着の感じが無くていいのう! ひすいの分もあるではないか、ときめが届けてくるのじゃ!」
そのまま、水着を持って走っていってしまった……待って! それは!
急いでときめを追いかける。翔の部屋は隣、まあ隣と行っても相当距離がある訳だが。
「お、ちょうどいいところなのじゃ、ひすい、潤が特別な『水着』なるものを持って来てくれたぞ。そんな下着みたいなものよりこっちの方が恥ずかしく無くていいのじゃ!」
なんたる不運、ちょうど翔とひすいさんが部屋から出てきた所とは……待って、本当に待って、ときめさん!!
「うん、どうしたの? この水着の他にもまだ作ってくれてたんだ! どんな水着……」
「どうじゃ? なかなか良さそうじゃろ?」
間に合わなかった……俺はその場で両手を廊下につけた。とてもふわふわした感触だった。きっとお高いんだろうな……。
そのまま顔をあげると、ときめが満面の笑みでスク水を体に当て、着る時のイメージをしている姿と、後姿で翔に迫っているひすいさんが見えた。
翔の表情は顔面蒼白、ひすいさんの尻尾は今まで見た事が無いほど反り立っていた。
翔……ごめん。
とりあえず、水着に着替え、ロビーに集まった。ときめにはスク水では無く、パレオを着てもらったのだが。
「恥ずかしいのお……先の方が良かったのじゃ……」
頬を染め照れている。その姿は脚はすらりと長く、それと対比して溢れんばかりの大きな胸が目を引く。360度どこから見ても目のやり場は無い。モデル顔負けの容姿でスタイリッシュ。まるで空想上のものを見ているようだ。
神様は空想上のものだとは思っていたが。しかし、これは鼻が伸びてしまう。直視出来ない。
隣に居るひすいさんも同じくとても素晴らしい。オフショルの水着はより色っぽさが強調され、幼い顔立ちであるがとても女性らしさが出ている。
「むうう、やっぱりときめの胸は反則だよ……私も大きくならないかな……」
いやいや、ひすいさん、それはそれでいいと思う。世の中にはジャンルと呼ばれる物がある訳で、間違いなくそちらで単独トップだと思います。
「そうかの? 肩が凝るぞ? むしろこんなに大きく無くてもよいのじゃ」
「きいい! みんなそう言うんだよ! 大きい人は!」
定番のやりとりをしている。まあ、無い物ねだりだな。
「ひすいは十分可愛いよ。その水着もとっても似合ってるよ。僕の女神様」
「にゃ!? にゃにを言ってるにゃ!? ……ありがとうにゃ……」
急激にしおらしくなって尻尾が丸まった。成程、ひすいさんは感情が高ぶるとにゃんにゃん言うのだな……良いじゃないか!?
「なんじゃ……ひすいに見とれおってからに! ときめもしっかり見るのじゃ!!」
おお、至近距離……ちらりと見えるパンツに、可愛らしいおへそ、大きな胸……み、見ました。
「と、ときめもとっても似合ってます! とても綺麗です」
「違うのじゃ! ときめにもちゃんと潤の女神と言うのじゃ!」
そっち!? とりあえず言われた通り、俺の女神様と言っておいた。すごく照れてくねくねしていた……その姿に萌えた。




