表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/41

18話 いざ、歓迎会へ!


 既にひすいさんの服の微調整は完了している。残すはときめのワンピースの仕掛けのみだ。


 悩みに悩み抜いた尻尾部分……給湯室の排水溝を見ていたらふとよぎった。ここの給湯室はおしゃれ過ぎて全く違うが、一般的なものはゴムなんかで出来ているものもある。


 同じ仕組みの物で言えば、くじ引きなどで箱に手を入れる際に、中を覗けないようになっているあのビラビラだ。手は通るけど中身が見えないあの仕組み採用した。


 まあ、排水溝の件は黙っておこう。印象的にはあまり良くないし。


 これであれば、ときめの大きなもふもふ尻尾も、まるで暖簾のようにくぐらせる事が出来る。もちろん、生地の織り込みでバレないようにしているが、保険として飾り布を纏わせてある。まあ、いうなればこれも大きな暖簾である。


 さて、急がないと残業になってしまう。社長を待たせるなんて言語道断だ。


「……かっこいいのお」


「うん? どうしました?」


「な、何でもないのじゃ! ときめは邪魔にならぬよう横で見ておくのじゃ!」


 まあ、その方が助かりますし、やる気も出ます! 




「先輩~如何です? ときめちゃんのワンピースは完成しましたか?」


「ええ、翔。今、奥で着替えてもらってます」


 定時になり、翔とひすいさんが降りて来てくれた。多分、ときめの服を見たいのだろう。


「ときめはスタイル抜群だから……きっとすごい事になりそう……」


 ひすいさんは先程のアドバイス通り上着を羽織ってくれており、とてもよく似合っている。しかし、ひすいさんが警戒している通り、俺も覚悟しておかなければならない。これから来るであろう、衝撃の映像に。



「ど、どうじゃ……こ、こんな服は初めて着たのう……」


 試着室から出て来た瞬間、胸が高鳴った。ときめは大人っぽさを強調する為にそれほど多くの飾りつけはしてない。カラーもシンプルに白い色をベースにしており、先日買ったデニムのジャケットととても良く似合う。


「おお、なんと美しい……」


「……にゃあ!?」


 い、いかんぞ!? 翔! ときめに見とれてないで隣見て!! 焼きもち全開、ケモミミ、尻尾全開、逆毛状態ですから、おたくの彼女!!


「ん……あ、いや、違うんだ、ひすい! つい!」


「ふ~ん、そうなのかにゃ、そうなんだにゃ?」


 なんかすごい詰め寄られている……意外と尻に敷かれているのか? まあ、その辺の人間味があるのも翔のいい所ではある。


「潤……ありがとうなのじゃ、ときめの為にこんな……」


「いえいえ、とても綺麗ですよ、ときめ」


「はう……は、恥ずかしいのじゃ……はっ! 尻尾が出て!? ……痛くない?」


 ワンピース装着のきつね神様、ケモミミ、尻尾verの完成である。どうやら使用感も問題無い様だ。


「おお……あ、いや違う! 違うんだ,ひすい!」


 翔……アフターファイブはあの頃と全く変わってないな……。


「どうですか? ときめの大きな尻尾を活かせる服を作りました。お気に召してくれましたか?」


「最高なのじゃ! ときめの為に……嬉しいのじゃ、この『うえでぃんぐどれす』は大切にするのじゃ!」


「だから、それはワンピースですってば」


 しかし、幻想的と言ってもいいぐらいの美しさだ。さて、そろそろ翔を助けなければ、猫の神様にマウント取られてる、物理的に。





 なんとかひすいさんを引き離し、連れて来てもらったのは、高級クラブが軒を連ねる繁華街。庶民の俺からすれば場違いもいいところである。


「翔、流石に歓迎会とはいえ、こんな場所は」


 正直、面を食らう。まあ、翔は通い慣れているのだろけども。


「分かってますよ、先輩。こっちに来て下さい」


 翔が向かった先は超高級感漂うお店……何が分かったのだろう、何も分かっていない気がしますが。


「じゅ、潤! と、ときめはこんな場所に来たのは、初めてなのじゃ、なんか、こ、怖いのじゃ!」


 怯えながら背中の後ろに隠れている。大丈夫、俺も怖いです。なんかもう帰りたいです。





 豪華絢爛な店の扉を開け、明らかにSPと思われる黒服、サングラスの方に連れられて来た部屋は、明らかに風景とミスマッチしたおかしな扉が備えられていた。


 純和風の引き戸……? 困惑している中、翔が勢いよく引き戸を開けると威勢のいい声が飛んで来た。


「へい、らっしゃい! ご新規さん四名様ですね! 空いているお席にどうぞ!」


 ……普通の居酒屋? スターシティー系列の焼き鳥専門の居酒屋ですかね?


「先輩と飲むならこういうお店がいいと思いまして! 急遽用意したんですよ。もちろん、ここのスタッフには緘口令を敷いてあるので、例え僕が宇宙人を連れて来ても、口外しませんので安心して下さい!」


 神様を連れてくるのと宇宙人を連れてくるの……どっちがレアなんだろう。甲乙つけ難いが神様が二名要る時点でこっちに軍配かな?


「じゃあ、二人とも、ケモミミと尻尾を出してもいいよ。店長! とりあえず生四つで!」


「あいよ! 可愛い彼女連れて、羨ましいな!」


 役になり切っているのか、地なのか分からないですよ、店長さん……。



「それでは、先輩の新しい門出に……乾杯!!」


「おお、美味いのお! なかなかの塩加減じゃ!」


「美味しいね、焼き鳥はひすいも大好き~」


 自由だ……神様達が自由過ぎる。目の前の焼き鳥に夢中になっているようだ。とりあえず、翔とグラスを合わせておいた。


「これからも宜しくね、先輩!」


 はは、まあこの雰囲気なら楽しめそうだ。


「ときめは次は日本酒が良いのじゃ!」


「私は甘酒にゃ~!」


 ペース早っ! 酒豪か!? 特にときめ! ま、まあ見た目は若いが十分大人だし、飲み方も心得ている筈だろう。


「神様達、自由ですねえ……」


「うん、まあいいじゃないか! ほら今日は先輩が主役なんですから! あ、店長、生二つお代わりね! 後、軟骨唐揚げも二つ!」


 慣れ過ぎてやしませんか? 確か、世界有数の企業のトップでしたよね?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宜しければポチりとお願いします!小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ