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17話 作品第一号


「歓迎会……ですか」


 服のデザインが固まり、ひすいさん用の服の制作に取り掛かっている所に電話がかかって来た。


『うん、僕からのプレゼントさ。もちろん、ときめさんも呼んであげて。尻尾が出てもいい場所を用意しておくからさ!』


 まあ、その辺りは翔の力を使えば朝飯前だろうけど。


「分かりました。ときめも喜ぶと思います」


『じゃあ、今週の週末にしよう! 迎えに行くから先輩は先に帰って下さいね!』


 致せり尽くせりだな、直属は伊達じゃないな……。しかし、致せり尽くせりと言えばまず、このフロア……一人で作業するには広すぎる。素材や設計スペースの他に休憩コーナーや軽食コーナーまであるもんな……。


「まあ、俺にはときめの作ってくれたお弁当があるからね」


 まだ昼前ではあるが区切りがいい所なので先に昼食としよう。


「さて、今日はどんなお弁当……おふぅ……」


 思わずにやけてしまった……小さいハートがこれでもかと言うぐらい乱舞している白ご飯だ……器用にまあ……キャラ弁の本を渡したら一層レベルが上がったなあ。


「ふふ、いただきます、ときめ」



 ときめのお弁当を美味しくいただき、珈琲を飲みながら再び作成中の服について考えている。


 俺の記念すべき第一作品目は、恐らく今まで二人が着れた事が無いであろう、ワンピースを作成中だ。


 ひすいさんが着れば活発な美女に、ときめが着れば大人の印象が出るだろう。ただ、問題は尻尾……正直、ひすいさんの尻尾の対策は出来ている。


 急に尻尾が出てしまっても生地の境目で抜け出る仕組みにしており、尻尾収納時は目立たないように生地を加工してある。ひすいさんの服は後二日もあれば仕上がる。


 問題はときめのワンピースだ。初めてときめが俺の俺のパジャマを着た時はあの大きな尻尾がズボン内で突っ張ってしまっていた。それに本人も痛いと言っていた……。


 工夫せねば……ワンピースでその状態になったら脱ぐに脱げない。という脱いだらただの下着姿だ。


「う~ん、思い浮かばない……とりあえず、もう一杯珈琲を飲もうか……」


 給湯室に向かいマイカップを洗ってると閃いた。


「これだ! これでときめもワンピースが着れる!」







 歓迎会当日、社長に電話してこのフロアに下りて来てもらった。ワンピースが完成したのだ。わざわご足労していただいたのはひすいさんが着た時の微調整がこの部屋でしか出来無い為だ。流石に社長室に裁縫セットも持って行く訳にもいかない。


「先輩、どんな服が出来たんですか? 楽しみです!」


「ふふ、翔も喜んでくれると思いますよ?」


 基本、このフロアに居る時は気さくに喋るようにしている。なにせセキュリティー上、この二人しか入れない空間なので。


「ひすいさんのイメージに合わしたこれからの季節にぴったりの『ワンピース』です!」


『おお~!』


 お二人とも見事にハモリましたね。まあ、掴みはいいみたいなので、一気に畳み込もう!


「ひすいさんのイメージから暖色系を選びました。それにイメージからフリルを少し多めにあしらってみました、今の時期はこれだけだと寒いので上に何か羽織るといいですよ。早速、奥の試着室で着替えてみて下さい」


「分かったにゃん!」


 可愛いお返事だこと……。さて、翔にも意見を伺ってみようか。


「如何でしょうか? ワンピースのチョイスは」


「いい! すごくいいです! 先輩!」


 なんか、社長感無いな……口ぶりだけ聞くとただの大学生だ。まあ、それだけひすいさんの事が好きなんだろう。



「どう、似合うかにゃん?」


『似合う!』


 今度は俺と翔がハモった。思わず顔を見合わせて笑ってしまった。やっぱり似た者同士だ。


「尻尾の部分も工夫してますので、試しに出してもらえますか?」


「分かったにゃん……おお、するっと出て来たにゃ~!?」


 ふふ、そこの部分は織り込みにしてあるので通り抜けるんですよ。外見では分からないようにデザインしましたからね。


「尻尾付きのワンピース……」


 なんか感涙にむせび泣いていますが、社長? ちょっとキャラ崩壊してません? まあ……分かりますけどね、その気持ち。


 後は微調整をすれば完成なので、今日の歓迎会の時に持って行くとしよう。




 扉が開く音が聞こえた……社長かひすいさんだろう。


「どうしま――」


「潤~!!」


 いきなり飛びついて来たのは――ときめ!? え? なんで!?


「ひすいに連れて来てもらったのじゃ!」


 うん、とりあえず今ね、針とかその辺にはさみとかもあるから……危ないからね?



「翔が『今日の歓迎会は二人揃ってワンピースで行こう!』って言い出して。なのでひすいはときめを迎えに行ったのですよ」


 はは、相当気に入ったんだな。その感じだとときめのワンピースも見たいに違いない。


「じゃあ、ときめ、プレゼントするよ。俺の作った服をね」


「おお~! 潤は服を作っておったのか!? 凄いのお!」


 そういえば俺、ときめに何の仕事してるか言って無かったな……。ま、まあ仕事現場まで来てくれたんだ、一石二鳥という事で……。


「ときめだけの世界でただ一着の服ですよ?」


 うん? なんかときめの動きが……。やけにくねくねとしてるな。


「そ、それは白無垢かのう……も、もしかして『うえでぃんぐどれす』なるものかのう?」


「ワンピースです」


 まあ、ワンピースとういう言葉も分からないだろうけど、しかしドレスか……そんなのも作ってもいいかも知れないな。


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