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第壱拾六話 巨斧と幻惑2


エステル城 地下採掘場


ジャッジメントの2人は、暗い岩が剥き出しになっている細い通路を巨漢のグレイスを先頭に進んでいた。

「ったく。なんでこの穴はこんなに狭いんだよ。

詰まるじゃねえか。」

また体がぴったりはまり、グレイスは身動きがとれなくなってしまった。

「やっぱり俺が先に行くべきだった。」

「なんか言ったか?」

グレイスは首だけ動かして雅壱へ目を向けた。

「いえ、なにも?」

「ふん。」

笑う雅壱に鼻を鳴らしながらもグレイスはまた壁を削りながら進み始めた。




しばらく進んでいると、2人は岩山の中にある広い空間へとでた。

「結構広いな。」

「おっ。あそこだな。」

辺りを見回していたグレイスの目に上の方にある穴から光が漏れているのを見つけた。

「さっさと行くぞ。」

「はい。」

そう話しながらグレイスが一歩踏み出した。






それは鶯劍が龍牙達が歩き出したのを確認し龍牙達が出てきたあの穴まで近づき地面に手をつくのと同時だった。

「『覇王震砕(はおうしんさい)』」

すると、その鶯劍の言葉に呼応するかのように岩山が振動を始めた。




「!?この揺れは」

「おいおいまじかよ。」

強さを増していくその振動が最高点に達したとき、ついに採掘場の一角に亀裂が入った。

「逃げるぞ!!」

「ええ!!」

止まらぬ振動はその亀裂を広げ、そして岩山は中の採掘場ごと崩れ落ちた。

ジャッジメントの2人を巻き込んで。


それを見た鶯劍はすぐにその場を離れ、龍牙達を追った。







崩れてできた瓦礫の山の中、中でも一番大きな岩が砕かれた。

「か~っ!!またかよ!!」

現れたのは怒りで真っ赤のグレイスだった。

「爆発の次は岩雪崩!!いい加減にしろよな。

で、お前はなんで無事なんだ?」

引っかかっていた右足を引っこ抜いたグレイスは近くの岩に雅壱が無傷で座っているのに気付いた。

「またまた、サヴァリスさんを逃がすためにわざわざ潰されることはなかったのに。」

「ふ、ふん。んなわけないだろ。さっさと追うぞ。」

そっぽを向いたグレイスの顔は今度は恥ずかしさから赤く染まっていた。

「すいません。足を怪我したので帰りませんか?」

グレイスが振り返るとそこにあったのはニヤリと笑う雅壱の顔だった。

「そ、そうか?まあ、それなら仕方ないな!!帰るぞ!!」

「は~い。」

雅壱はどこか嬉しげにグレイスの後を追った。






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