表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/140

第九話 アマルガム

 キャシーを縛り上げた鶯劍は、ひとまず先に回収した2人を麗那達がいる場所へと運んでいた。

「っ!?」

 麗那はその2人を見て息を呑んだ。

「こんな・・・、ひどい」

 麗那がそう呟くのも無理がない。なぜなら2人の体には一滴も『力』が残っていなかったのだから。

 もうこれは助かる助からないの問題ではなくなっていた。

「頼む」

 それを分かっていながら鶯劍は、ただそれだけいうとまた戦艦の方へと歩き始めた。




 その刹那、麗那の前を疾風のごとく何かが駆け抜けた。

それに気づき、鶯劍は振り向きざまに刀を横に一閃。


 それは凄まじい金属音とともに騎士のような鎧をつけた男の剣によって受け止められた。

「貴様、誰だ?」


「私はあなたの『弟』」

「なんだと!?」

 鶯劍はその言葉に驚きを隠せずにいた。

「お前、まさか・・・」

 唖然とする鶯劍の周りにはいつの間にか、さらに4人鎧を着た者達がいた。

「我々はあなたと同じ。聖霊の命と引き換えに力を得た者」

「聖霊の、命?」

「違う!!」

 麗那の呟きを背に、その声を掻き消そうと声を張り上げる鶯劍。

「何を言っても事実は事実。あなたは崇め、そして共に歩むべき者の命を殺めた。自分の欲望のために」

「違う、俺は・・・」

 男は鶯劍を一瞥し、地面に置いていたあの2人を担いだ。

「誰だ?」

「・・・」

「誰がお前らをそんな体にした?」

 俯けていた顔を上げる鶯劍。

「答えろ!?」

 男は全く振り返らずに答えた。

「我々は望んでこの体になった。あの御方の手を借りて。」

「!?誰だ、それは!?」

「帝国軍技術開発部主任、『教授』と言えば分かりますか?」

「あいつか!!あいつが、」

「おや、どうやら本当に我々の兄弟のようだ」

「黙れ!!」

「これは失敬。では、我々『アマルガム』にはまだ任務がありますゆえ、失礼します。『兄さん』」

 そのまま5人はどこかへと跳んで行った、キャシーとあの2人を連れて。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ