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第四話  恥




ヘレー族の村の入り口からいくらか離れた所に停泊していた一隻の戦艦で各部隊隊長が集い、会議が行われていた。

そんな中、2人の男がひざまずき、(こうべ)を垂れていた

「ほう。それで、身に危険を感じたから逃げてきた。そういうことか?」

「も、申し訳ありません。」

2人の体にはいたるところに傷があった。

話からして、この2人があの鶯劍が倒しそびれた2人だろう。

「そうか、やっぱり将軍が言っていたことは本当らしいな。」

「は?」

「ここ数年で暗殺部隊は少し腑抜け過ぎてはいないか?」

「いえ、そんなことは!!」

2人の内、背の高い方(2人ともあの黒い衣装に身を包んでいるため、顔が見えない)が反論の声をあげる。

「お前たちのミスは、お前たちの上司である陰戰(いんせん)の名誉に関わるということを覚えておけ。」

その場にいる5人の部隊隊長の内、総司令官であろう男が強めの口調で言い放った。

その言葉に俯く2人。

そんな時、ハイヒールのコツコツという足音と共に、扉をくぐり会議室に白衣の女が入ってきた。

「まあまあ、そんなにいじめちゃだめよ。」

「キャシー博士か」

「なぜ、『教授』の右腕でもあるあなたがここに!?」

その場にいた総司令官以外の4人は驚きの声を上げた。

「ちょっと実験のサンプルを探しにね。」

「見つかったのかな?」

「まあまあね。だけど、少し人間も欲しいのよね。」

キャシーは総司令官の言葉に答えながらも、ひざまずいていた2人に目を向けた。

「そうね、その2人、頂けるかしら?」

「なっ!?」

「ああ、構わんが?」

驚く2人を全く意に介さず答えた。

「じゃあ、いただきね。」

「ちょっと待って下さい!!なんで俺達がそんな実験のサンプルなんかに!?」

背の高くない方が叫んだ。

「君たちは任務に失敗したんだ。陰戰の名誉挽回をしたくはないのかね?

君たちもあいつに助けられたクチだろう?」

「っ!!」

2人は同時に息を呑む。

暗殺部隊の隊員のほとんどは、ジャッジメントの一柱であり、暗殺部隊総隊長である陰戰に命を救われた者達なのだ。

「別に死ぬわけじゃないから安心してね〜。」

2人はお互いに顔を見合わせた後、肩を落としながら頷いた。

それにニヤリとしながら司令官はキャシーへと視線を向けた。

「だそうだ。丁重に扱うようにな、キャシー博士。」

「分かってるわよ。で、出撃はいつ?」

「2時間後だ。」

「分かったわ。それまでにこの2人をとっても美しくしておいてあげるわ。」

妖艶な笑みを浮かべ、白衣を翻し、キャシーは会議室から出て行った。


「では、諸君。作戦は先ほど言った通りにな。」

「「「「はっ!!」」」」











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