箸休め的な話 前編
この話は一応、[生徒会の新役員]の続きの話です。
清川と神屋視点で書きたいなと思い書いた話ですので、あまり本編とは関係無いです。
[それぞれの休日〜小道 麗華 夏帆の場合〜]
ピピピピピピピピ
アラームの電子音が鳴り響く。
「、、、ん、朝か」
俺は目覚ましを止め、体を起こす。
「、、準備するか、、」
現在時刻8時半
いつもの俺なら二度寝をするところだが、今日は朝から大事な用事があるので早く起きた。
俺は自分の部屋から出て、洗面台に行く。
「あれ?今日は起きんの早いのね」
一階のリビングに姉貴がテレビを観ながら座っていた。
「ああ、今日は大事な用事があるからな」
俺は洗面台で顔を洗う。
この日をどれほど待ち望んだことか!
去年の夏に発表された名作RPGシリーズ最新作、モンスターコレクターfiveG
モンスターに人類が脅かされている世界で、主人公がモンスターを操る力を使い、人々を救うという王道RPGだ。
俺は自分の部屋に戻り、財布や服といったものを準備する。
お店の開店時間は9時。
今から行けばギリギリ開店前には着く。
え?なんで開店前に行くかって?
そりゃあ早く買いたいからに決まってるじゃないか!!
早く買って一日も早くクリアをしたい。
そんな事はゲーマーならみんな思ってる事だ。
よしっ、行くか、、戦場へ!!
「小道どっか行くの?」
俺がリビングに戻ると姉貴が言ってきた。
「ああ、俺は戦場に行ってくるよ」
俺は格好付けながら姉貴に言った。
「は?何言ってんの?」
真顔で言われた。
くそっ!やんなきゃよかった、、
朝っぱらから黒歴史を一つ増やしてしまった。
「あ、外行くならついでに石鹸買ってきて」
俺がベッドに飛び込んであああああ!!
ってしたいとか考えているうちに、もうすぐ9時になろうとしていた。
「やべぇ!時間が、行ってきます!」
「あーい」
俺は家を急いで出た。
× × ×
「 お姉ちゃん起きてー!!」
バサ!!
「ううっ、、ちー、もうちょっと優しく起こして、、」
私はベッドから出る。
「おばさんがごはんできたよーだって!」
ちひろは今日も元気いっぱいだ。
「うん、直ぐ行くから先に食べてて」
「はーい!」
ふふ、可愛いなぁ♪流石私の妹、将来は絶対モテるわね。
ま、誰にもちひろを渡す気は無いのだけれど。
そんな事を考えながら、私は着替えを済ませリビングに行く。
「おはよう麗ちゃん、ご飯出来てるよ〜」
テーブルの上に朝食が乗っている。
「ありがと、おばさん」
私は自分の椅子に座り、ご飯を食べる。
「いただきます」
「おばさん、おかわり!!」
ちひろがお皿をおばさんに渡す。
「はいはい~」
「ちー、ちゃんとキュウリも食べなさい」
「えー、キュウリ嫌ーい」
「ダメ、ほらアーン」
私はちひろの皿に乗ったキュウリをつかみ食べさせる。
「う、、あ、あーん!」
嫌そうな顔をしながらも、ちゃんと食べてくれた。
「はい、よく食べました。偉いよぞ〜ちー♪」
「うん!ちーは偉いの!!」
そんなやり取りをしていると、おばさんがお皿を持ってやって来た。
「ほらちーちゃん、おかわりどうぞ」
「はい!ありがとうおばさん!」
笑顔で受け取るちひろ、どういたしましてと、微笑むおばさん。
そんな微笑ましい光景を見ながらご飯を食べ進める。
数分後、私はご飯を食べ終わり、おばさんと一緒に食器を洗っている。
「麗ちゃん、今日はなんか予定はあるのかい?」
おばさんがお皿を拭きながら言って来た。
「いえ、特に何も無いです」
「じゃあちょっと、お使いを頼まれてくれないかい?」
「お使いですか?良いですよ」
「本当?助かるよ〜」
「いえ、別に良いですよそれぐらい」
「それで買って来てほしいものが、特売日のティッシュとトイレットペーパーなんだけど」
私は食器を洗い終わる。
「分かりました。買って来ます」
「宜しくねぇ〜、あっ、これお金ね」
「はい」
私はおばさんからお金を受け取り、外に行くための準備をしに自室に戻る。
準備を済ませたところで時計を確認する。
現在時刻9時
出るにはちょっと早過ぎるので、本を読んで時間を潰すことにした。
、、、、、、、、
、、、、、
、、
はっ!いけない、本に集中し過ぎて時間を見るのを忘れていたわ。
私は時計を確認する。
10時15分
時間が無い!セールの時間は10時半、急いで行かないと間に合わない!
私は荷物を持って急いで家から出た。
× × ×
ジリリリ
ガチャ
「う、ん、、ふぁぁ、、」
もう朝か、ふふっ、王の目覚めだ大いに祝え!!
我は時計を確認する。
現在時刻800年あ、間違った。
8時丁度。
約束の時までまだ一時間もある。
「ゆっくり準備をするとしよう」
我は色々身支度を済ませ、父上と母上が居る広間まで行く。
ガチャ
我は扉を開ける。
開けゴマ油!!
「おはようございます、父さん母さん」
「ああ、おはよう夏帆」
「おはよう夏帆、ご飯届いていますよ」
「はい、母さん」
我は自分の椅子に座り手を合わせる。
「いただきます」
今日の朝食は、王である我に相応しい肉料理だった。
でも朝っぱらから肉は流石にきついですね。
いかんいかん!もう一人の我が本音を、、
我はナイフとフォークを取り、肉を食らう。
「このお肉すごく美味しいです」
「そうだろう」
父上が言った。
「この肉はA5ランクの肉を使っているから、そこらのステーキより美味しいはずよ」
母上が言った。
我は食事を進める。
ああ、、お腹いっぱい、もう無理、、
「母さん父さん、ご馳走様でした」
我は父上と母上に挨拶をし、王の間(自分の部屋)に戻る。
「ふぅ、、人間を演じるのも疲れるな」
我はベッドに座り時計を確認する。
現在時刻8時45分
そろそろ時間になるので、我は荷物を持ち外へ出かける。
が、外へ出るためには、母上と父上に見られないようにしてこっそりと出る必要がある。
流石に、昼間からゲーム買いに行くとかは親には言えない。
なにせ、我は貴族であるからな、親の規制があるのだ。
母上はめちゃくちゃ厳しく、ゲームなんてやっていたら家に監禁されるまである。
なので我は部屋に置いていた靴を持ち、窓から外に出る。
「よいしょっと、、痛!」
降りた拍子にお尻を地面に打ってしまった。
「急いで行かなければ、、」
我は家から急いで出て行った。
× × ×
俺が店に着いた時には既にお店が開店していた。
「はぁはぁ、、出遅れた、、」
なんでこんな日に限って信号に捕まりまくるんだよ!
くそっ!急いで売り場に行かないと!!
俺は走った。
〈完売〉
「、、う、そだろ」
開店してから30分ぐらいしか経ってないのに、、
在庫がないか店員さんに聞いてみる。
「あの、すいません」
「はい?何でしょうか」
「えっと、今日発売されたモンコレfiveGってもう在庫無いんですか?」
「すいません、もう在庫は残って無いんですよ〜」
「あっ、そうですか。ちなみに次の入荷日ってわかります?」
「少々お待ち下さい、確認してまいります」
「はい、お願いします」
店員さんがレジの方へ行った。
はぁー、これからどうすっかなぁ、他の店回るか?
でもな〜、ここら辺の近くにゲームショップ無いんだよなぁ
一番近くて二駅隣ってところか、、
と、考えていると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
『もう無いんですか?』
『はい、すいません』
『そうですか、、ありがとうございます』
声の主がこちらに近付いてきた。
「はぁ〜、、」
声をかけるかかけまいか。
どうしよう、、
「お客様」
「あ、はい」
悩んでいる間に、店員さんが戻ってきていた。
「次の入荷日は未定なんですよ」
「あ、そうなんですね」
「はい、申し訳ございません」
「いえ、ありがとうございます」
俺は店員さんから離れる。
「教官!」
「うほぁ!!」
突然背後から声を掛けられた。
「ああ、お前か。お前もモンコレ買いに来たのか?清川」
「はい!、、でも無かったんですよねー、、」
「ああ、俺もショックで死にそうになってる」
と言うか既に目が死んでる。
あ、元からか。
あはは、おもしろーい。
「教官はこれからどうするんですか?」
俺が心の中で一人自虐ネタをやっていると、清川が言ってきた。
「うーん、俺は取り敢えず次の店に行くが、、」
「その、、一緒に行ってもいいですか?」
え?
「え?」
心の声がそのまま出た。
「えっと、目的が一緒の人がいた方が、、その、安心すると言いますか、、」
あり?清川ってこんなキャラだったっけ?
何こいつ、いつもの痛い中二病は?
正直に言おう、めちゃくちゃ可愛い!!
俺じゃ無かったら完全に、惚れて告ってフラれていただろう。
だが、俺はスーパーボッチであるからして、こんな事ではいちいち動揺したりしないのだ。
「あ、ああ、別に良いけど、、」
「本当ですか?ありがとうございます!」
清川は笑顔で言った。
(これから大丈夫なのか?俺、、持ってくれ俺の理性!!)
かくして、俺と清川のモンコレを探す旅が始まったのである。
終
あ、まだ続きます。
後編の投稿は未定です。
最近、自分の書き方を見つけてきた気がします。
あ、気のせいかな、、