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神屋麗華の癒し

3話目です。


次話の投稿は未定です。


俺は現在リビングに正座で座り、姉から説教を受けている。


「小道。今日アンタ何でこんなに帰ってくるの遅かったの?」


「えーっと、、それにはちゃんとした理由がありまして、、」


赤坂 広美。


俺の四つ上で、大学3年生。仕事で忙しい両親に代わり、家事全般をやってくれている。


「ふ〜ん、一応聞いたげる」


「えっと、俺、昨日から生徒会に入ってて、それで忙しくて帰りが遅くな「はいダウト!うちの高校の生徒会ってそんなに忙しくなかったはずだけど?」


くっ、気づかれたか、、流石姉貴、元生徒会長だっただけある、、嘘はつけないか。


ならこれでどうだ!


「帰ってくる途中、ヤンキーに絡まれまして、、、」


「その割には、結構上機嫌で帰って来たけど?」


ダメだった。


そうだ、俺テンションアゲアゲで帰ったんだった。


「言い訳は終わり?」


「、、はい」


俺は観念して、今日あった生徒会の出来事について白状した。


「ふーん、で、その清川って女子と2時間もヤってたわけだ」


姉貴が軽く睨みながら言う。


「姉貴、やってたの言い方が違うような「あ“?」いやっ、何でもないです、、」


怖いんだよ、、その眼、、


「まぁいいや。早くご飯食べて、片付けたいから」


姉貴はそう言うと、自分の部屋に帰った。


「やっと解放された、、」


ずっと正座をしていたので、足が痛い。


最近正座してばっかだな、、


「、、ご飯食うか」


× × ×


「はぁ、、疲れた」


ご飯を食べ終え風呂に入り、自室でゴロゴロしながら、今日の出来事を思い出していた。


今日清川とゲームをしてわかった事は、更生なんてしなくても、あいつはやっていける。


ゲームが好きなら、ゲーム好きの女子と友達になればいい。


趣味が合えば、自然と仲良くなれるだろう。


清川の更生は割と簡単に達成出来そうだが、問題は神屋の方だ。


アイツ、絶対女に嫌われるタイプの女だ。


良くも悪くもズバズバと本音を言うから、相手にしてみれば厄介この上ない。


コミュニケーション自体取る気があるのかわからんし。


なんで俺に頼んだんだよあの年増教師、、


ふと、屋上での会話が蘇る。




『君もぼっちだろ?なら、神屋と同じではないか。同じぼっち同士分かり合えるかもしれない』




誰がボッチだ、、



俺はぼっちではない、ただ、自分から関わろうとしないだけだ。


友達なんて必要ない。


あんな物は偽物だ。


あんな欺瞞に満ちた表情が本物の筈が無い。


友達とはもっと綺麗なものの筈だ。


あんなクソみたいな関係を友達と言うのなら、友達なんていらない。


だから俺は、友達なんて作らない。


× × ×


次の日、いつも通りチャリで通学していると、バス停の前で小さい女の子(保育園児くらい)が目に涙を浮かべて周りをキョロキョロしていた。


朝の7時半。


丁度通勤ラッシュの時間帯に小さい女の子がいるのはおかしいと思い、親切心から声をかけようと自転車から降りる。


「ねぇ、どうしたの?なにかあ「うわぁーーーーん!」えっ、いや、なんでよ、、」


俺が近づいた瞬間、大声で泣き出した。


周りに助けを求めようと周りを見渡すと、行き交う人達は皆俺に軽蔑のような眼差しを向け、中には携帯を取り出す人もいた。


まずい、、コレは本当にまずい、、!


俺がどうにか落ち着けようとするも、女の子はさらにヒートアップしていく。


「ゾンビがきたーーーー!おねーちゃーん!こわいよーーー!」


は?ゾンビ?そんなのどこに居るんだよ!


「ゾンビなんて居ないよー」


俺が女の子に声をかける。


「ゾンビじゃないの?」


「う、うん、お兄ちゃんはゾンビじゃないよ〜」


ようやく泣き止んで来たので、優しく微笑んで言う。


「うそー!だってめがしんでるもん!」


そういう事か。


俺は瞬時に状況を把握し、懐に忍ばせておいた伊達眼鏡を掛ける。


「じゃん!これでもうゾンビじゃないよ〜」


死んだ目も多少は軽減されているだろうと、先ほどと同じ調子で笑ってみせた。


「ほんとだー!ゾンビじゃない!」


女の子は先程の化け物を見る目から打って変わり、無邪気な笑顔になった。


まぁ、、最初からゾンビじゃないけどな。


鋼のメンタルにヒビが入り掛けたが、気を持ち直し泣き止んだ女の子と話をする為、近くにあった椅子に腰かけた。


「お名前はなんていうの?」


「ちひろ!」


「ちひろちゃんか、ちひろちゃんはなんでこんな時間に一人でいるの?」


「おねーちゃんにおべんとうをわたしにきたの!」


ちひろは背中に背負っていたカバンから風呂敷に包まれた弁当箱を取り出し言った。


「そうなのか〜偉いね〜」


「うん!ちーはえらいの!」


くっ、、眩し過ぎる、、!!


子供の無邪気な笑顔にやられながら、俺はちひろの姉の居場所を聞く。


「で、お姉ちゃんはどこに居るの?」


「あまがみこうこうってところ!」


天校?俺と同じ学校だな。


「そうなんだ、お兄ちゃんも天神高校に通って居るんだよ」


このまま、ちひろを一人にしとくわけには行かないので、


「良かったら一緒に行こうか?」


連れて行くことにした。


× × ×


学校には遅刻ギリギリでついた。


「お兄ちゃんありがとう!じゃーねー!」


「うん、じゃ〜ね〜」


俺はちひろに笑顔で手を振った。


「はぁ、、疲れた、、」


やはり慣れないことをするもんではないな。


俺は眼鏡を外し、急いで駐輪場に自転車を止め、駆け足で教室に向かった。


教室の中は、ホームルーム5分前だというのに騒音に包まれていた。


お前ら5分前行動しろや!


そう心の中で叫びつつ自分の机に座り、机に突っ伏して寝たフリをした。


5分後、吉塚先生が教室に入ってホームルームを始めた。


今日もまた退屈な1日が始まる。


いつも通りに授業を受け、気付いたら昼になっていた。


腹減った。


「飯食うか」


俺は弁当を持っていつもの場所に行く。


「ちひろは姉に弁当を届けられただろうか、、」


今朝のことを思い出し、不意に口に出す。


ま、大丈夫か。


昼時の外は暖かな風と雰囲気に包まれており、気を抜けば寝てしまいそうなほど心地が良かった。


よっこらせと階段の壁に体重を預け、弁当を開ける。


いただきますと小声で呟き、昼飯にありつく。


弁当を開くと、中には俺の大好物の唐揚げと卵焼きがこれでもかと言うぐらいギュウギュウに詰められていた。


もうちょっと綺麗に詰めてほしかった、、


なんてことを思いながら、割り箸を割り唐揚げを一齧りする。


「やっぱ姉貴の弁当うめ〜」


俺は弁当を食べ終え階段に横になる。


外はリア充どもの声で包まれていた。


「うるせぇ奴らだな」


「本当にね」


俺は独り言を言いながら目を開けると、目の前に神屋がいた。


「うわぁ!」


俺はビックリして飛び起きた。


「うるさいわね」


「しょうがねぇだろ、ビックリしたんだよ、、」


今日も絶好調だなこいつ。


「要件だけ伝えるわ、私は貴方ほど暇じゃないの」


じゃあなんでここに居るんだよお前。


「先生が呼んでいるわ、話は以上よ」


「は?いや、なんで呼ばれてるんだ?」


「知らないわよ、私はもう帰るわ」


「おいっ、ちょっとまっ、、」


神屋は既に居なかった。


歩く速度早すぎだろアイツ、、


とりあえず俺は、いつもの場所〈2〉に、行く事にした。


「失礼します、2年5組の赤坂です」


職員室に着きドアを開ける。


「おー、早いな赤坂、こっちだ来たまえ」


つい最近も、この教室で説教を受けた事を思い出す。


「座りたまえ」


俺はソファーに座った。


「何ですか先生、また説教ですか?」


「いや、今日は違う、この間お願いした依頼の件で、何か進展があったかなと思い読んだのだ」


「あー、その事ですか」


「そうだ。で、何か進展はあったか?」


進展か、特に何もないな。


「いやー、特に何もないですね」


「本当か?」


なんかいつもよりグイグイ来るな。


でも特には、、、、そう言えば一つだけあったな。


「んー、あっ、昨日清川と一緒にゲームをしたぐらいですかねー」


「何!それは本当か!」


机に手をついて、こちらに顔を近づけて来た。


「は、はい、でも一緒にと言っても、俺はアドバイスをしただけですけどね」


「それだけでも十分の成果だ!」


なんでそこまで興奮してるんだこの先生。


「じゃあ先生、報告も終わったんで帰って良いですか?」


俺がソファーから立ち上がった。


「ああ、帰って良いぞ!このまま引き続き宜しく頼む!」


「は、はい、失礼しました」


生徒指導室の扉を閉め、職員室を出る。


「はぁー、このまま引き続きなのか、、」


めんどくせぇ、、


× × ×


放課後になり、俺は生徒会室に向かっていた。


俺はこれからの事を考える。


神屋の性格を更生させるための方法、昨日の夜色々考えたが良い案が出て来なかった。


「どうしたものかなぁー」


しばらくは動かないって言った矢先にこれだよ。


めんどくせぇー


そんな事を考えていると、気付いたら生徒会室の前に着いていた。


はぁー着いてしまった


扉を開けようと手を掛けると、中から小さい女の子の声が聞こえてきた。


「おねーちゃん!つづきよんで!」


「はいはい、分かったから静かにしてね?ちー」


「うん!分かった!」


ちーちゃん?


なんかどっかで聴いたような、、


俺がドアの隙間から中を見ようとした、その時。


「ドアの前にいる人、出て来なさい」


やべぇ、、バレた、、


俺は仕方なく、教室に入った。


「よう、俺だ「あっ!お兄ちゃん!」、、え」


中に居たのは、神屋と、神屋の膝の上に座って居るちひろだった。


「え?なんでお前とちひろが一緒に居るんだ?」


「それはこっちのセリフなのだけれど。なんでちーが貴方のことを「お兄ちゃん」と呼んでいるのかしら?」


さっきの優しい声を出して居たのは神屋だった。


が、さっきと打って変わって、ドスの効いた声で睨みながら言った。


「さっきはなした、ちーをがっこうにつれてきてくれたお兄ちゃんだよ!おねーちゃん!」


無邪気な笑顔でいった。


「ちひろちゃん、お姉ちゃんってこの人?」


俺がちひろに聞いた。


「うん!そうだよ!」


神屋の妹だったのか、通りで似てるわけだ。


「貴方だったのね、ゾンビみたいなお兄ちゃんって」


「誰がゾンビみたいだ」


ほら、こういうところだ。


「ちひろを連れて来てくれてありがとう、感謝するわ」


こいつと会って初めて、感謝の言葉を聞いた。


なんだよ、感謝の言葉も言えるじゃねぇか。


こいつも意外と、簡単に問題を解決出来そうだな。


「おう、まぁほっとけ無かっただけだ、気にすんな」


俺はちょっと照れ臭くなり、微妙な感じで言った。


「何を上から目線で言っているのかしら、今のは社交辞令よ、貴方に感謝なんて死んでも御免だわ」


前言撤回、やっぱこいつは簡単に行きそうじゃない。


せっかく人がいい奴だなと思ってたのに、台無しだ。


「あーはいはい、そうですか、、」


俺は適当に言い、いつものところに座った。


ちなみに、今日は清川は居無い。


家の用事があるとかで、今日は休みらしい。


まぁそりゃそうか、アイツお嬢様だからな。


俺はいつも通りラノベを読み始めた。


隣では、姉妹仲良く本の読み聞かせをしている。


今日の成果、神屋(妹)と仲良くなった。


うん、犯罪臭が凄いな。


大丈夫、俺ノーマルだから。ロリは射程圏外だから。


まぁ、可愛いとは思うけどね。ぐふふ。


神屋 麗華。


超絶スーパーウルトラハイパー完璧超人美少女。


だが実際は、超がつくほどのシスコンであり、超がつくほどの毒舌な残念美少女。


どうやら俺は、これから先苦労の連続な学園生活を送ることになるらしい、、





結論。

妹は世界を救う。






読んでくださりありがとうございます。


出来るだけ長く続けたいです。


(途中でおわるかも、、、)

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